NZ中銀が向こう数カ月で債券購入を打ち切る可能性

 ニュージーランドは「金融引き締め時期を前倒しするのではないか?」という観測が出ているようだ。BNZ(ニュージーランド準備銀行)のストラテジストによると、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は利上げに備え、QE(量的緩和)の国債買い入れを向こう数カ月で終了する可能性があるという。

 BNZのストラテジスト、ニック・スミス氏は28日の顧客向けリポートで、ニュージーランド準備銀行が政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを11月に引き上げる可能性について、金融市場は50%強の確率を織り込んでいると指摘。さらに国債発行額が3億NZドル(約235億円)から5億NZドルに名目上引き上げられたにもかかわらず、中銀が今週の購入ペースを2億NZドル(約156億円)に維持したことは、市場にとってさらなる供給を吸収し始める必要性が生じることを意味すると分析した。

「市場の反応は、中銀が完全に購入を停止した際に市場がどう適応するかに関する幾分の手掛かりになるかもしれない」とスミス氏は指摘。11月の利上げ確率が50%強という「市場の織り込みを額面通り受け止めれば、NZ中銀が向こう数カ月で債券購入を打ち切る可能性を意味する。利上げ開始前に保有債券を増やしたくないからだ」と説明した。

(「NZ中銀は今後数カ月で国債買い入れ終了か、利上げに備え-BNZ」 6月28日ブルームバーグ)

 下の「OECD(経済協力開発機構)の住宅バブルランキング」をみてもわかるように、ニュージーランドは住宅バブルがかなり過熱している。オーストラリアよりも金融引き締め時期は早くなるだろう。

OECDの住宅バブルランキング

出所:WOLFSTREET

NZドルのシーズナリーチャート(過去20年の平均)

出所:エクイティクロック

 NZドル/円相場は8月の下げに注意しなくてはならない。中期的には9月のボトムが買い場だが、筆者は毎年11月の頭に裁量取引でNZドル/円と米国の株価インデックスを買っている。

NZドル/円(日足)と売買シグナル

(赤↑=買いシグナル・黄↓=売りシグナル)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター