過去3カ月の推移と今回の予想値

※矢印は、前月からの変化

6月雇用統計の予想 

 BLS(米労働省労働統計局)が7月2日に発表する雇用統計は、市場予想によると、失業率は5.7%に低下、NFP(非農業部門雇用者数)は69.5万人に増加となっています。平均労働賃金の予想は、前月比0.3%増、前年比3.6%増。

 前回の雇用統計で雇用者の増加が予想を下回った理由は、需要というより供給の問題でした。労働力の供給不足の原因のひとつに、良すぎる失業給付金が指摘されています。失業でもらえる給付金が働いてもらえる給料より多かったら勤労意欲がなくなるのは当然でしょう。

 そこで一部の州が、失業給付金の上乗せ金額の減額を実施したところ、途端に求人サイトの閲覧数が5%もアップしたということです。ようやく働く気になったアメリカ人が、一斉に仕事に戻ってくるのか。雇用統計は注目です。

 ただし、給付金の終了に伴う再就職の人数は、タイミングの関係で今回の雇用統計には、完全に反映されない可能性が高いです。

 たとえ今回がさえない結果に終わっても、次回以降は雇用が一気に100万人増えるサプライズもありえます。だからがっかりしないように。雇用市場が完全復活すればFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ期待も一気に強まることになるでしょう。