値上がり率ランキング(5銘柄)

1 ランシステム(3326・ジャスダック)

 複合カフェ「スペースクリエイト自遊空間」の運営が主力事業ですので、コロナのマイナス影響を受けた企業。5月末には、今6月期業績の下方修正も発表していました。

 ただ、コロナ前に比べて株価は半値以下となり、時価総額は8億円台まで低下。そんな超小型株にとっては、材料ひとつあれば十分、そんな勢いで…。

 21日に、同社がネットカフェ運営で得た無人化ノウハウを、ネットカフェやカラオケなどを運営するAOKIホールディングスが導入すると発表。

 これを受けて、翌日から4日連続でストップ高に。月末31日から信用規制(増し担保)が発動しています。最軽量級の銘柄に個人の信用買いが群がり発生した、よくある短期の大相場だったようです。

2 キャリア(6198・東証マザーズ)

 コロナに関連する材料株では、これまではワクチン、注射器、保冷庫、PCR検査などの切り口がありました。ここに追加で、5月に新しく生まれた切り口が“ワクチン接種”でした。

 菅政権が高齢者から「1日1万人接種」を目標に、自衛隊を動員した大規模接種を開始。接種会場での人員が足りないため、民間企業にも委託。そのなかで、看護師派遣を同社が担当することが一部報道で判明しました。

 直後の11日はストップ高買い気配に。報道は事実だったようで、12日には「東京・大阪でのワクチン大規模接種会場への看護師案件を落札した」と発表しています。200人派遣の業績インパクトは不明ですが、タイムリーな話題だったこと、小型株だったことで株価インパクトは絶大。

 ただ、こちらも21日より信用規制が発動。買っていたのは、短期値上がり益目的の個人信用組でした。

3 ケアネット(2150・東証マザーズ)

 決算材料をきっかけに、株価を想像以上に切り上げました。想像以上と書いたのは、完全なウィズコロナ側にある銘柄のため。昨年の年間上昇率は驚がくの6.1倍でしたが、今年は他のウィズコロナ株同様に軟調でした。

 それが、13日に発表した今2021年12月期業績の上方修正で一変。昨年11月の高値6,420円を上回ると、月末31日の上場来高値8,160円まで上値を追い駆ける展開へ。

 同社は13日、今期売上高予想を60億円→76.6億円、営業利益予想を17億円→22.1億円に大幅増額しました。従来予想が慎重だったようですが、既存顧客からの受注増や新規顧客の増加によるトップラインの上昇がポジティブでした。

 新しい業績予想ベースで予想PER約60倍、予想PSR(株価売上高倍率)約11倍ですので、同じ医療系DX関連エムスリーの同約100倍、同約24倍に比べれば、それほど高くない?(規模感が違うので比べてはいけないのでしょうが…)

4 カイノス(4556・ジャスダック)

 流動性の低い小型株が、コロナ関連の強材料で噴き上がりました。きっかけは25日付の一部業界紙。同社が3種類の新型コロナウイルス感染症の検査試薬を同時に発売すると報じました。

 この検査試薬は、試験紙だけで感染の有無を簡単に調べられる(60分で判別できる)ようで、6月に発売すると。報道後では、31日に製造販売承認を取得し、保険適用されたとも正式発表されています。

 報道直前24日の終値1,018円に対し、3日後の27日高値は1,945円。短期間で最大9割超の急騰劇を演じました。ただ、高値を付けた27日引け後、28日から信用規制をかけると東証が発表。そうなると、手の平を返すように個人の信用組が撤退、正式発表前にひと相場終わった格好に。

5 ANAP(3189・ジャスダック)

 年初来安値320円を付けたのが13日、ここから材料ひとつで月末31日終値502円まで急騰。超小型株だからこそ、なせる業…。

 強材料視されたのが、ZOZOが運営するアパレル通販サイト「ZOZOTOWN」の中国版での商品販売開始のリリースでした。発表した27日の翌日から、2日連続でストップ高に。

 中国版ZOZOTOWNは、日本版と同率の販売代行手数料で出店できるうえ、商品在庫も日本国内にあるZOZOの物流センターで管理される仕様のようです。

 クリアすべき越境ECの法律などもZOZOグループが対応してくれるため、出店ショップ側は日本版に出店するような感覚で越境ECにトライできます(ZOZOさすが)。