先週の結果

週半ばまで2万8,600円台を試し、週末に一気に半月ぶりに2万9,000円台回復

 先週の予測では、当面の上値水準を2万8,800円とし、予想レンジを2万7,800~2万8,800円としました。

 チャート(柴田罫線)で三角保ち合いを下放れしたときに2万8,800円以上は上値抵抗ゾーンとなっており、日足チャートで見ても、25日移動平均線が20日時点で2万8,903円と、75日移動平均線が20日時点で2万9,216円の下にあります。これが好転するためには、75日移動平均線を突破しなければならないため、多少の日柄調整を必要とするとしました。

 27日(木)までは、レンジの上限で動いていたものの、2万8,800円に到達できず、2万8,600円水準でもみ合っていました。しかし、28日(金)になると前日のNYダウの上昇や、やや円安歩調により、買い優勢で始まりました。

 27日(木)の相場の取引終了時にMSCI指数のリバランスが行われて銘柄の入れ替わりもあり、売買代金が5兆5,995億円、出来高は24億432万株と大きく取引が膨らみました。

 これによって需給不安が解消しており、バイデン大統領の6兆ドルという大規模なインフラ投資案が出ていたことも買い気につながり、28日後場終盤には+645円の2万9,194円まで上昇し、終値は+600円の2万9,149円と半月ぶりに2万9,000円台を回復しました。

 しかし、このまま上昇するのは難しく、目先は75日移動平均線(2万9,246円、直近28日時点)にアタマを押さえられることになります。

 28日(金)の米国市場は、強い景気回復期待が強かったものの、3連休を控え終盤に上げ幅を縮小。NYダウは+64ドルの34,529ドル、ナスダックは+12ポイント、S&Pは+3ポイントで取引を終了しました。

 景気回復期待で寄り付き後に上昇、朝方発表されたFRBが重視する4月米コアPCEが前年比で3.1%と1992年7月以来の伸びとなりましたが、FRBのインフレ高進は「一時的」との見方で、長期金利への影響は限定的でした。シカゴの日経先物は▲100円の2万9,020円でした。

 先週、1週間の動きを見ると、相場が持ち直しつつあるようです。特に28日(金)の動きは、カラ売りの買い戻し主導とみられる展開の中で、25日移動平均線(28日時点2万8,650円)を上回りました。

 2月の高値を起点とした調整トレンドが終了したという見方もありますが、上述したように目先に75日移動平均線(28日時点2万9,246円)がありますので、まだ何ともいえません。