2021年は日米ともバリューが強くグロースが弱い

 2021年は日米とも、株式市場でバリュー(割安株)が強く、グロース(成長株)が弱い傾向がはっきり出ています。

 米国株では、景気敏感バリュー株の構成比が相対的に高いNYダウが堅調な一方、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)などグロース株の比率が高いナスダックが弱めの動きとなっています。

NYダウとナスダック総合指数の動き比較:2020年12月31日~2021年5月21日

出所:2020年末の値を100として指数化、QUICKより作成

 日本株でも同様、2021年はTOPIXバリュー指数が強く、TOPIXグロース指数が弱い展開が続いています。

TOPIXバリュー指数とTOPIXグロース指数の動き比較:2020年12月31日~2021年5月21日

出所:2020年末の値を100として指数化、QUICKより作成

 大型グロース株には調整未了感が残ります。代表的な銘柄で、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)があります。

 ウイグル綿の調達をしている可能性が高いとして、米国で輸入差し止めされていることがわかりました。ウイグル綿の調達を続けると欧米から制裁を受ける可能性があり、調達をやめると中国で不買運動にさらされるリスクがあり、この問題になんらかの決着がつくまで株価に下値リスクが残ります。

 それでは、NYダウ、ナスダック、TOPIXバリュー、TOPIXグロースの2021年の動きをまとめて比較してみましょう。

NYダウ・ナスダック・TOPIXバリュー・TOPIXグロースの動き比較:2020年12月31日~2021年5月21日

出所:2020年末の値を100として指数化、QUICKより作成

 TOPIXバリュー指数とバリュー株比率が高いNYダウが強く、TOPIXグロース指数とグロース株比率の高いナスダック総合指数が弱いことが、明確にわかります。