※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]日本株:大型グロース株の調整続く?景気敏感バリュー株は「買い場」と判断」
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NYダウより日経平均が弱い状況変わらず
先週(5月17~21日)の日経平均株価は1週間で233円上昇し、2万8,317円となりました。
NYダウと日経平均の動き:2020年10月1日~2021年5月21日
上のチャ-トをご覧いただくとわかる通り、2月以降、NYダウは堅調ですが、日経平均は弱い動きとなっています。
米景気好調が続く中、日本の景気回復がやや遅れる懸念が出ており、日米の景気モメンタムの差が日米の株価パフォーマンスの差に表れています。
2021年は日米ともバリューが強くグロースが弱い
2021年は日米とも、株式市場でバリュー(割安株)が強く、グロース(成長株)が弱い傾向がはっきり出ています。
米国株では、景気敏感バリュー株の構成比が相対的に高いNYダウが堅調な一方、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)などグロース株の比率が高いナスダックが弱めの動きとなっています。
NYダウとナスダック総合指数の動き比較:2020年12月31日~2021年5月21日
日本株でも同様、2021年はTOPIXバリュー指数が強く、TOPIXグロース指数が弱い展開が続いています。
TOPIXバリュー指数とTOPIXグロース指数の動き比較:2020年12月31日~2021年5月21日
大型グロース株には調整未了感が残ります。代表的な銘柄で、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)があります。
ウイグル綿の調達をしている可能性が高いとして、米国で輸入差し止めされていることがわかりました。ウイグル綿の調達を続けると欧米から制裁を受ける可能性があり、調達をやめると中国で不買運動にさらされるリスクがあり、この問題になんらかの決着がつくまで株価に下値リスクが残ります。
それでは、NYダウ、ナスダック、TOPIXバリュー、TOPIXグロースの2021年の動きをまとめて比較してみましょう。
NYダウ・ナスダック・TOPIXバリュー・TOPIXグロースの動き比較:2020年12月31日~2021年5月21日
TOPIXバリュー指数とバリュー株比率が高いNYダウが強く、TOPIXグロース指数とグロース株比率の高いナスダック総合指数が弱いことが、明確にわかります。
景気敏感バリュー株「買い場」の判断を改めて強調
結論は、毎回述べていることと変わりません。緊急事態宣言の延長があっても、日本の景気・企業業績の回復は続くと考えています。
外食・観光・イベント・電鉄・航空業の業績低迷は長引きそうですが、米国と中国の景気拡大の恩恵を受ける、自動車、半導体など製造業の業績が一段と拡大すると思います。
また、AI(人口知能)、IoT(モノのインターネット化)、5G(第5次移動体通信ネットワーク)を活用する第四次産業革命も世界的に加速し、企業業績を拡大させる要因になると考えています。
したがって、ここは景気敏感バリュー株「買い場」との投資判断を、改めて強調します。今期(2022年3月期)の東証一部の純利益は、前期(2021年3月期)比、約4割の増益になると予想しています。
それを前提に、東証一部全体の割安度を測るPER(株価収益率)を計算すると約16.5倍で、日本株は割安と判断しています。特に、金融・資源関連・製造業などの景気敏感バリュー(割安)株の投資妙味が大きいと考えています。
メインシナリオとして私は、日本の景気・企業業績の回復が年後半にかけて鮮明になり、日経平均は再び上昇に転じて、年初来高値(2月16日の30,467円)を超えていくと予想しています。
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