今週はTOPIXの動きがカギに。注意点は?

 となると、個別銘柄物色の幅が広がるかが焦点になることが想定されるため、TOPIX(東証株価指数)の動きがカギになりそうです。

■(図4)TOPIX(日足)の動き(2021年5月21日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 TOPIXも日経平均と同じように、1,900pという株価水準を意識する展開となっていますが、株価と25日移動平均線との距離が日経平均よりも近いことや、下段のMACDがシグナルを微妙に上抜けクロスを達成しており、状況は日経平均よりも良いと言えます。

 4月にTOPIXが25日移動平均線を下抜けてから、抵抗として意識されてきただけに、早い段階で25日移動平均線を上抜けできるかが、週間のムードを左右するカギになりそうです。

 以上のように、「今週の相場は堅調になりそう」というのが基本シナリオですが、気を付けておきたい点もあります。

 その一つは、米株市場のムードです。先週の米株市場での出来事を整理してみると、(1)根強い金利上昇警戒でIT・ハイテク株の戻りに勢いが出てこないことや、(2)米4月住宅着工件数など、予想を下回る米経済指標が出始めて景気敏感株の物色が選別されはじめたこと、(3)仮想通貨ビットコインの値動きが荒っぽくなっていて、株式市場も影響を受けていることなど、値動きに不安定さがあります。

 二つ目は、月末の日本株が下げやすいという点です。あくまでも傾向であって、必ずしも歴史が繰り返されるわけではありませんが、特に今週は、国内で発動されている緊急事態宣言の期限延長の議論が注目されることもあり、注意しておく必要がありそうです。