株価は順調に戻せるか:割安感による買い余地は十分

 では、「順調に株価は戻せるのか?」についても考えていきます。

 日本株は、新型コロナウイルスへの対応力の差によって、米国株と比べて出遅れ感が指摘されていますが、先週の国内では、モデルナ社とアストラゼネカ社のワクチンが特別に承認されました。

 ワクチン接種の動きが加速していくとみれば、日本株の出遅れ感が修正されていくことも考えられます。

 また、日経平均の予想PER(株価収益率)の動きを見てみると、4月下旬から大きく低下し、21日(金)時点では13.79倍となっています(下の図3)。

■(図3)日経平均と予想PERの推移(2021年5月21日取引終了時点)

出所:Bloombergのデータを元に筆者作成

 PERは「株価÷1株あたり利益」で計算されますが、PERの低下が意味するのは、株価が下がったか、利益が増えたかのどちらかです。上の図3を見ると、株価以上にPERが下がっているため、決算シーズンを経て、利益が増えたことによるPERの低下であることが分かります。

 そのため、日本株の割安感による買い余地は十分にあると考えられ、実際に、先週はトヨタ(7203)の株価が最高値更新するなどの動きも見せています。