投資経験が長くなると自然に体感できるはずだが…

 筆者は長年株式投資をしていますが、ある日、突然気持ちが切り替わるということがあります。

 多くの銘柄が上昇トレンドで、実際に多額の株を保有しているようなとき、当然ながら多少の株価調整局面があります。いわゆる押し目というものです。株価が25日移動平均線より上にある範囲内での株価下落があっても、特に気にせず保有を続けます。

 ところが、株価下落が続き、保有株が軒並み25日移動平均線を割り込み、それでも株価の下落が止まらないような局面になると「ああ、だめだ」とか「多額の株を持っているのは危ない」と直感的に感じるのです。

 筆者はこれを「『利益を得る』から『大きな損をしない』への気持ちの切り替え」と呼んでいます。4月21日に年初来安値更新銘柄が200を突破した日もそれを感じました。

 実は、この気持ちの切り替えがとても大事で、要は攻めのモードから守りのモードに切り替える、利益はあきらめて多少の損失は許容するが、大きな損失だけは何としても避ける、という気持ちにシフトチェンジするのです。

 おそらく、投資経験が長くなれば直感的に「これは守り優先にしないと危ない!」と感じることができるようになるのですが、初心者・初級者の方は難しいかもしれません。

 したがって、株価の下げ始めの印である25日移動平均線割れで保有株をいったん売却しておくことを習慣づけるのがよいと思います。これを守りさえすれば、たとえ株価が大きく値下がりしたとしても、大きな損失を避けることができます。

 順調に上昇を続けていた株が突然、手のひらを返したように急落することは珍しくありませんし、バブル崩壊はまさにこのパターンです。

 今後、いつ株価が急落したとしても大きな損失を避けることができるよう、常に冷静な気持ちで判断するためメンタルを整えておきましょう。