うまくいかないからといって無理に勝負をしない方がよい

 なかなか思ったような成果が出せないと、焦ってしまって無理な勝負を無意識にしてしまう個人投資家の方も多いようですが、それはリスクが高い行為です。

 そもそも多くの株が値下がりしているのですから、利益を得られないのは当たり前の話です。それなのに、例えば数少ない上昇トレンド銘柄に資金を集中して投資し、損失を一気に取り返そう、と考えてしまいがちです。

 また、4月のような非常に利益を得にくい状況であっても、例えばツイッターなどのSNS(交流サイト)で、すご腕トレーダーが「今月もこれだけ稼ぎました!」などと言っているのを見て、「私も同じように稼がないと!」と無理はやめるようにしてください。

 そもそもすご腕トレーダーと同じような成果を出すのが無理な話ですし、人によっては話をかなり盛っている可能性だってあります。

 損失が出ているということは、現状のマーケットで利益が得られにくい環境にあるわけです。そんな中で勝負にいっても、失敗してしまう可能性の方が高くなるのは、冷静に考えれば分かることです。頭に血がのぼったり焦ったりして、知らぬ間に勝負に向かってしまうことのないよう、十分気を付けてください。 

 個別銘柄の多くが下降トレンドになっているような時期は、物理的に値上がりが見込めないのですから、利益を上げようがありません。無理をせず、株式投資に回す資金も小さめにして、キャッシュを多めに持って変化の兆候が出るまで待つのが無難です。そして、投資に回す資金を小さくすることで、気持ちを落ち着かせることができます。

「利益を得る」から「大きな損をしない」への気持ちの切り替えが大事

 私たちが株式投資をしているのは、利益を得るためです。目的は人それぞれだとは思いますが、「利益を得るために株式投資をしている」こと自体は共通しています。

 でも、この「利益を得る」という気持ちを、どんなときでも持ち続けるべきかといえば、実はそうではありません。

「利益を得る」から、利益はあきらめて「大きな損をしないようにする」と気持ちを切り替えないといけない時期があるのです。

 例えば、株価が順調に上昇していたところ、突然急落したという状況です。

 株価が順調に上昇しているときは、「利益を得る」という気持ちでいて何ら問題ありません。「株を持っていればしっかりと利益が増えていく」時期だからです。

 ところが、株価が下落に転じると、直近で買った株は軒並み損失となりますし、もともと保有していた株も含み益があっという間に削られてしまいます。つまり、「株を持っているだけで損失が膨らむ」時期に変わったのです。