米国の主要株式指数の最高値更新続き、日経平均も57年ぶりの15日連騰記録

先週の予測

 衆院選での与党の大勝を織り込みながらいったん目先ピークとなる可能性もあるとしました。前週末の13日(金)に約20年ぶりの2万1,000円台を回復したことで目標達成感も出やすい水準だが、ここから上は需給関係からは真空地帯といえるところなので、テクニカル的な過熱感からいったんピークをつけるパターンと、海外ファンド中心の先物主導で値ガサ株が買われ、さらに大きく上昇し何かのキッカケで急落するパターンを想定しました。

結果

 米国市場で好調な決算や経済指標を受けて3指標の最高値更新が止まらず、このサポートを受けて日経平均も週末まで14日連騰となりました。これは57年ぶりの連騰最長記録に並びました。

 16日(月)は、前週末の米国株高を受け+66円の2万1,221円で寄り付き、先物主導で上げ幅を拡大し、一時+191円の2万1,347円まで上昇しました。その後は利益確定売りで上げ幅を縮小し、+100円の2万1,255円で引けました。

 17日(火)も前日の米国市場でNYダウを含め3指標がそろって最高値を更新したことで、一時+138円の2万1,393円まで上昇するものの、連騰へのつかれから一時マイナスに転じましたが、売り一巡後は持ち直し+80円の2万1,336円と11日続伸となりました。

 18日(水)は、前日のNYダウが一時2万3,000ドル台乗せを達成したこともあり、買い先行で始まって一時+64円の2万1,402円まで上昇しましたが、利益確定売りで▲18円の2万1,317円まで下落。しかし、再び+66円の2万1,402円まで上昇し、終値は+26円の2万1,363円と2年5カ月ぶりの12連騰となりました。

 19日(木)は前日の米国株式の3指標がそろって最高値更新となったことで、+86円の2万1,450円で寄り付き、一時2万1,503円と2万1,500円台乗せとなりましたが、終値は+85円の2万1,448円と29年8カ月ぶりの13連騰でした。

 週末の20日(金)は、前日の米国市場ではNYダウ、S&Pが最高値更新したものの、前場は▲57円の2万1,390円と利益確定売りが先行し、週末要因や22日の衆院選挙を前に手控え気分で▲85円の2万1,363円まで下落。しかし、米上院で予算案が可決されたことでドル高・円安の動きとなったのをキッカケに下げ幅を縮小し、プラスに転じて+9円の2万1,457円と小幅に14日続伸となりました。

 20日(金)の米国市場は、予算案の上院通過で3指標そろって最高値更新し、NYダウは+165ドルの2万3,328ドル、為替も1ドル=113.50円で引け、シカゴ日経先物は+105円の2万1,555円で引けました。

 23日(月)も上昇。終値は2万1,696円まで下げ、歴代トップとなる15連騰となりました。


今週は、いったんピークを想定してもいいところ

今週の予測

 円安に頼らない上昇となっていますので、日本企業の業績を海外投資家が評価しているということになります。先週は100円を超す上昇はなく、小幅の上昇の積み重ねでしたので、急落するパターンとはならないと思われます。ただし、「もうはまだなり」で上昇してきている目先の相場もいったん調整を入れるのが自然な流れです。また、今週から2017年9月期決算が本格化するため、決算内容を見極めたいという様子見ムードとなれば、上昇が一服する可能性があります。

 NYダウも高値警戒感が出るところであり、今週は主要企業の7~9月期決算がピークを迎えますので、いったん一服する場面があるかもしれません。柴田罫線では、NYダウの1つの上値の目安として2万3,300~2万3,500ドルがありますので注目するところです。


(指標)日経平均

先週の予測

 前週末に9連騰となって約20年ぶりの2万1,000円台となったことで、目先目標達成感が出る可能性があるとしました。値ガサ株中心の上昇が続けばキッカケ次第で急落するパターンも考えられる一方で、もみあいながら目先のピークをつけていき、そこからいったん調整するパターンも考えられるとしました。

結果

 米国株式の3指標が史上最高値更新を続けていることがサポートとなり、小幅な上昇を交えながら14日連騰となり57年ぶりの最長記録に並んで引けました。

今週の予測

 15連騰という新記録の後は短期的過熱感もあり、決算も本格化することで決算内容を見極めたいムードになる可能性があります。もしそのまま上昇が続くとしたら、柴田罫線では2014年4月11日の1万3,885円からの上昇ラインが下値斜線となっていますので2万2,000円水準が1つ目の節目となります。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 7~9月期決算発表への期待は株高を支えることになりそうだが、北朝鮮など地政学的リスクには注意が必要であり、高値圏でのもみあいが続くことになると想定しました。

結果

 世界的株高の流れの中で企業決算や経済指標が好調となり、北朝鮮情勢も静かだったことで連日の3指標の高値更新が継続。さらに週末の20日(金)には、予算案が上院を通過したことで税制改革の実現期待が高まり、NYダウは+165ドルの2万3,328ドルと6日続伸となりました。

今週の予測

 主要企業の7~9月期の決算がピークを迎えることになります。予算が上院を通過したことで税制改革の実現期待が高まりますが、スペインの政情不安や北朝鮮情勢の不透明さは残ります。また、次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の指名も注目。相場環境的には、上昇要因が多いわけですが高値警戒感も出ていることで、いったん一服してもおかしくありません。現在は最高値更新中で、どこかで止まるところがないかと節目をみてみますと、柴田罫線では、2013年10月9日の1万4,719ドルからの上昇ラインの上値斜線にあたるところが2万3,300~2万3,500ドルにあたります。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

 引き続きドルの上値は重いものの、日本では自民党の大勝の見方が強く、アベノミクスの加速の思惑から円安期待が高まりやすい局面でした。このため、基本的にはもみあいながらも円安の流れとなりそうだとしました。1ドル=111~114円のレンジを想定。

結果

 週始めから10月19日(木)までは円は111~113円の間のもみあいとなっていましたが、週末の10月20日(金)は予算案が上院を通過したことで、トランプ大統領の税制改革の実現期待が高まりドルが113.57円まで買われ、113.51円で引けました。

今週の予測

 選挙結果と米国のFRB(米連邦準備制度理事会)の議長人事に注目となります。トランプ大統領が11月3日からのアジア歴訪を前にタカ派的なテイラー氏か、ハト派的なパウエル氏かを指名することになりますが、どちらを指名するにせよFRBの金融政策の正常化路線は変わっていませんので、ドルの底堅い動きが想定されます。112~115円のレンジを想定。