TOPIX:反発の兆し?決算を手掛かりに持ち直せるかが焦点に

 また、TOPIX(東証株価指数)についても見ていきます。

■(図2)TOPIX(日足)とMACD(2021年5月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のTOPIXも日経平均と同様に、5日と75日移動平均線を上抜けたものの、25日移動平均線をこれからトライしに行くような状況です。また、4月20~21日にかけて空けた「窓」を時間をかけて埋めに行き、反発の兆しを見せつつあるようにも見えます。

 今週は、2,500銘柄を超える国内企業の決算発表が相次ぐラッシュとなります。TOPIXのウエートが比較的高いトヨタやソフトバンクGなども予定されているため、決算を手掛かりに株価を持ち直せるかが焦点になります。

NYダウ:NYダウは連日で最高値を更新、3万5,000ドル台も視野に

 続いて、米国株市場の状況も整理しておきます。

■(図3)米NYダウ(日足)ボリンジャーバンドとMACD(2021年5月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 冒頭でも触れた通り、日本が連休期間中だったNYダウは連日で最高値を更新する展開を見せていました。上の図3を見ても、25日移動平均線をサポートに、いったん崩れたボリンジャーバンドの「バンドウォーク」が再始動し、3万5,000ドル台も視野に入りそうな格好になっています。

 とはいえ、連休中の米株市場が必ずしも順風満帆ではなく、軟調な場面があったことには注意が必要かもしれません。結果として25日移動平均線がサポートとなった5月4日のNYダウは、前日比で一時300ドルを超す場面がありました。

 その背景として、米国の物価上昇への警戒が高まったことが挙げられます。イエレン米財務長官がインタビューで、「米経済が過熱しないように金利を少し上昇せざるを得ないかもしれない」と述べたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げ時期を早めるのではという見方が意識されました。

 もっとも、FRBの金融政策について財務長官がコメントするのはどうなのかという声があることや、イエレン氏自身も発言を修正したこと、そして、週末7日(金)に公表された米4月雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びが当初の予想を大きく下回るサプライズとなったことで、早期の利上げ懸念を打ち消す格好となりました。