※本記事は2017年11月7日に公開したものです。
ETFカンファレンス2017
さる11月3日、筆者は楽天証券ETFカンファレンスに登壇した。当日は、昨年比1.5倍の出席者があり、大変盛況だった。大変ありがたいことであり、ご来場頂いたお客様に感謝を申し上げたい。
ETF(上場投資信託)に関心のある投資家はおしなべて投資に対して合理的な人だろう。少々大袈裟だが、ETFカンファレンスが賑わうことは、日本の投資家がより合理的に進歩していることの表れのように思う。心強いことだ、と思いながら、
筆者は、「あなたの投資常識にチャレンジする10問!」と題して話をさせてもらった。
話の形式は、まず、非常識であると思う命題を掲げ、次に、正しい常識だと思う命題を提示して、理由と補足を述べるというスタイルだった。
たとえば、
【×非常識!】ETFとは、イージーに、トレードできるファンドのことである。
と問いかけてみて、次に、
【◎常識!】ETFとは、いい手数料の、ファンドのことである。
と筆者の思う正解を提示して、
これを、「ETFは手数料が安い点で投資のツールであり、同時に優れた運用の部品だが、運用は頻繁な売買を行わないほうが結果が良いので、安易に売買することは不適切なのだ」と説明するような要領だ。
筆者が、実際に話した言葉は、ここまで手短で硬いものではなかったが、内容の要点を手短にまとめると、上記のようになる。
それでは、当日とは趣向を変え「非常識!」の命題を1番から10番まで、まとめて並べてみよう。読者は、何問同意されるだろうか、あるいは反対されるだろうか。いずれの場合であっても、その理由を説明できるだろうか。
しばし考えてみて欲しい。
山崎 元が「非常識!」だと考える10の命題
- お金の運用にあっては、将来の「夢」(お金の使いみち)をしっかり意識すべきだ。
- 運用にあっては、目標額と目標利回りを明確に決めることが大事だ。
- 投資家の“タイプ”に適合した運用商品を選ぶことが大切だ。
- 金融機関のプロに納得の行くまで「相談」することが重要だ。
- 個人向け国債を買っていれば、安心だ。
- 低成長な国の株式を買っても儲かるはずがない。
- 金は、資産形成のための良い投資対象の1つである。
- 長期投資でリスクは縮小する。
- アクティブ・ファンドを選ぶには、ファンドの「目利き」が大切だ。
- 運用初心者は、「つみたてNISA」から取り組むといい。