値上がり率ランキング(5銘柄)

1 INCLUSIVE(7078・東証マザーズ)

“ホリエモン”こと堀江貴文氏が2位株主になったことを手掛かりに、前月は月間で株価が3倍に変貌していた銘柄。ただ、買いの大半は個人の信用買いだったと見られ、東証が5日売買分から信用規制をかけると発表。これを受けて、株価も大きく調整していました。そこから再浮上し、月間上昇率+95.6%を記録するとは恐るべし。

 下火になっていた人気を再燃させたのは、株式分割でした。19日、4月12日を基準日とした株式3分割を発表。しかも、このタイミングで信用規制の解除も重なって、翌日から3日連続ストップ高に。さすがホリエモン関連、“株式分割”との相性の良さは出資した同社株でも再現されたようで…。

2 シャノン(3976・東証マザーズ)

 決算発表を足掛かりに、ほぼ一本調子で上昇。昨年6月、8月に跳ね返された株価3,000円の壁のブレイクに成功しました。株価上昇の発火点は、12日に発表した第1四半期決算。営業利益が前年同期の3.2倍、1億600万円になったと発表。今2021年10月期の通期予想は据え置きでしたが、通期の営業利益予想5,800万円を第1四半期で大きく超過していました。主力のマーケティング支援サービスで従量課金の売上高が想定以上に発生した増収効果に加え、コスト削減による採算改善も奏功したようです。

 業績サプライズで株価が上向いたタイミングにあって、1週間のタイムラグを置いた19日には株式2分割も発表。いずれも株価は強い買い材料としたのですが、この2つの材料の共通点は“後場の取引開始後に発表されている”こと。個別株のニュースが少ない時間帯のため、注目を浴びやすい(短期勢の買いを呼び込みやすい)時間に発信することで同社のような超小型株の場合は想像以上のインパクトを生めたようです。

3 大阪油化(4124・ジャスダック)

 2017年のIPO直後、意外な人気を集めて投資家知名度を上げた銘柄ですが…前月辺りから一部短期筋に人気化し、ご無沙汰のランクイン。

 前月は第1四半期の好決算が買い材料視されましたが、3月の材料は29日発表の「有機化合物の析出方法」に関する特許取得。気化された有機化合物と、気化されたイオン液体を接触させ、高純度な有機化合物を固体として析出させられるとのこと。材料としての強度は不明ですが、株価上昇後の月末時価総額でも29億円の超小型株ということもあって反応は大きく出ました。

4 ナガオカ(6239・ジャスダック)

 親孝行な中国子会社での“大口受注”発表で株価は水準を切り上げました。同社の100%子会社で中国の那賀設備(大連)が、3月だけで3件の大口受注を獲得。石油プラントなどで原油や天然ガスを変化させ、触媒をサポートする内部装置「スクリーン・インターナル」が、8日に約4億円、9日に約6億円、そして15日に約5億円の大口受注を獲得したようです。

 新規プラント設備に対する投資は、コロナ禍で世界的に鈍化している様子。ただ、中国に関しては新規プラント設備への投資が回復しており、積極的な営業が実を結んでいるそうです。今2021年6月期は減収見通しであること、売上規模も60億円規模であることから、子会社の受注による業績予想の増額修正を先取っているといえます。

5 ケア21(2373・ジャスダック)

 22日、4月末の株主に対する株式3分割を発表。最低投資金額が小さくなるため、小口の参加者増加で流動性アップが期待されます。さらには、最低投資金額が3分の1になっても、最低単位(100株)保有で進呈される株主優待「クオカード1,000円分」は維持されるとのことで…実質的な優待拡充ですし、小口の長期保有の個人株主が増加することも確実視されます。

 流動性の低いジャスダック銘柄だったこと、そして株主優待が個人投資家人気の「クオカード」ということも相まって、株式分割の発表が強い株価押し上げインパクトにつながった好事例となりました。