逆張りの売りタイミング

 ウォーレン・バフェットの有名な言葉に「引き潮になったら、誰が裸で泳いでいるかバレる」というのがあります。引き潮とは、つまり相場環境が悪く、マーケットが急落しているような状況を指します。裸というのは、ちゃんと銘柄のファンダメンタルズをチェックせず、単にチャートを見ただけとか下落幅の大きい銘柄を安易な値ごろ感から買うような無防備な態度を指すのです。

 さて、逆張りの売りタイミングは、いつでしょうか?

 逆張りは、主に長期保有に使うので、滅多なことでは利食い売りしません。上に列挙したような銘柄を、ずうっと抱き続けてください。イメージとしては5年くらい保有し続ける感じです。逆に言えば、これらの銘柄は値動きがマイルドなので、短期ではそんなに儲からないのです。また、順張りのところで説明したような、買った先からすぐに利が乗り始めるようなうれしいシナリオも忘れてもらって結構です。

最も悪い投資

 最後に最も悪い投資手法を紹介しておきます。それはポンコツ銘柄でこっぴどく売り叩かれているような株を、リバウンド狙いで買いにいくやり方です。そういう手法が好きなセミプロ級の投資家というのは、確かに存在します。

 でも、このやり方はわざわざ業績の悪い会社を買うわけですから常に悪決算や倒産などの恐ろしいニュースと背中合わせです。

 このような株には大量の空売り筋が乗っている場合が多いです。その空売り筋が見込み違いで買い戻しすることを期待してリバウンド狙いするというわけです。

 こういうトレードをする投資家は、相場のジャンキー(中毒患者)のように、24時間、相場を張っていないと気が済まないような人たちです。その中には海千山千の老獪(ろうかい)なトレーダーもいます。

 私は、そういう人たちと正面切って勝負しても勝てないことが分かっているので、そのような勝負は挑みません。

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