順張りの売りタイミング

 順張りの売りタイミングは、次の二つの局面です。

1:株価が上昇トレンドラインを割り込んだとき
2:自分の買い値から8%以上、やられたとき

 順張りは、株価の勢いに惚(ほ)れ込み、その勢いを利用するトレードなわけですから、トレンドラインを割り込み、勢いを失ってしまった株などに、もう用はないのです。

 モメンタム系の投資ファンドは、皆、そういう考え方で乗っかっているので、トレンドラインを割ると怒とうの売りが出ます。だから順張りするときは、怠けずに毎日チャートを見て、自分の買い建てたポジションが安泰であることを確認する習慣をつけてください。

 順張りは、高値の株を「エイヤア!」と気合で買う手法なので、買った時点の株価がトレンドラインより大幅に上になっている場合もあります。すると、下がっても下がっても、いまだトレンドラインまで届かないケースもあるのです。▲8%で損切りするルールを課す意味は、そこにあります。これは、自分の投資資金を次のチャンスのために温存する目的で決められたルールです。

 つまり1回のトレードで8%程度のヤラレなら、次回以降、立ち直ることもそれほどムリではないのです。しかし、損失が大きくなるのを放置しておくと、後で挽回することがとても難しくなります。

 なお、ここが強調したい点なのですが、順張りにとって「良い銘柄」とは、あくまでもチャート上でトレンドがきれいに出ているような銘柄を指し、その企業が何をやっている会社か? とか、投資テーマがエキサイティングか? とか、業績が良いか? などは考慮する上では二の次だということです。

 最初からそのような切り口で投資していない以上、株価がズルズル下がり始めたら下支えになる材料に乏しいのが順張り投資の特徴です。だからこそ、手遅れにならないうちに早く逃げなければいけないのです。