正しい逆張りの仕方

 逆張りは主に長期投資に使います。逆張りを行うためには、まずそれが長期保有に足るだけの、業績面でしっかりした銘柄であることを確認する必要があります。言い直せば今後の業績の伸びが、株価下落という目先の悪材料をはねのけて余りあるくらい元気でなくてはいけないのです。

 ここで苦言を呈すれば、経験の浅い投資家は、「そんなコト言われなくても分かっている」と、業績による銘柄の選定を軽く考える傾向があるということです。でも実際には、どんな嵐の中でも飛べる全天候型の戦闘機のような、鉄板の業績を誇る銘柄は、数千もある米国株の銘柄の中で、せいぜい両手で数えられるくらいしか存在しません。

 逆張りは、落ちてくるナイフを素手でつかむような危ない行為です。台風で大シケになっている状態で航空母艦から発艦するような向こう見ずな試みなのです。そんな危ないことをやろうとしているのに、その会社の業績も確かめずに買うのは、賢い投資ではありません。

 それではどんな企業が業績面でしっかりした銘柄に相当するのでしょうか?

 全天候型の銘柄の第1番目の条件は、好況時でも不況期でもちゃんと利益を出せる、利幅の大きい企業です。もっと踏み込んで言えば、営業キャッシュフロー・マージンが最低でも15%から理想的には35%に近いビジネスということです。