長期保有の基本
ウォーレン・バレットに代表されるような長期保有投資を、皆さんがやってみたいと考え、最初に投資する銘柄を選ぶとき、下記のリストの銘柄が浮かびます。
銘柄名 | ティッカー | 利回り | 業種 | ||
---|---|---|---|---|---|
AT&T | T | 5.5% | 通信 | ||
ベライゾン | VZ | 4.1% | 通信 | ||
ロッキード・マーチン | LMT | 2.2% | 防衛・航空宇宙 | ||
ノバルティス | NVS | 2.1% | 薬品 | ||
ウエイスト・マネージメント | WM | 1.8% | ごみ処理 | ||
マクドナルド | MCD | 2.2% | ファーストフード | ||
プロクター&ギャンブル | PG | 2.5% | 日用品 | ||
ゼネラル・ミルズ | GIS | 3.6% | 食品 | ||
ジョンソン&ジョンソン | JNJ | 2.9% | 日用品・医療関連 | ||
エクソン・モービル | XOM | 4.7% | 石油 | ||
コカコーラ | KO | 3.0% | 飲料 | ||
ペプシコ | PEP | 2.8% | 飲料 | ||
バクスター・インターナショナル | BAX | 1.0% | 医療関連 | ||
ウォルマート | WMT | 1.8% | ディスカウントストア | ||
チャブ | CB | 1.9% | 保険 | ||
出所:著者作成 |
上の銘柄に共通することは、四半期ごとの業績に安定感があるということです。それに加えてバリュー投資家が好む、ワイドモート銘柄だということです。
「ワイドモート」とはお城の周りに巡らせた濠(ほり)の幅が大きいという意味です。つまり、防御力に勝った企業だと言い換えても良いでしょう。ワイドモート企業の条件としては、次が挙げられます。
1:普通の企業以上に儲かっていること
2:事業規模がバカでかいこと
3:市場占有率が圧倒的であること
4:ロー・コスト体質であること
5:有名なブランドを持っていること
6:ネットワーク効果があること
7:ユーザーや顧客にとって乗り換えコストが大きいこと
このような条件を満たす銘柄となると、たくさんあるようで、実はかなり少ないです。
私が「まずバリュー投資に適した銘柄群のリストから始めた方が早い」と主張する理由は、長年の経験から、経年劣化が起こらない、エバーグリーンのような銘柄は、本当に少ないことを、ひしひしと身をもって実感するからに他なりません。
もし、私の提示したリストがイヤというのなら、例えばウォーレン・バフェットの投資会社バークシャー・ハサウェイの保有銘柄のリストでも良いと思います。ポイントは、誰がやっても、大体、同じような線に落ち着くという点なのです。
長期保有の利点は、株式投資から目先の株価の乱高下というランダムな要因を除去し、長期でのその投資対象の潜在成長力やキャッシュを生む力に投資できるという点にあります。
しかし、肝心の投資先に潜在成長力が欠如しており、キャッシュを生むどころか、ごくつぶしみたいに株主のカネを使い果たしてしまうようなダメ会社であれば、長期に保有すればするほど、確実に酷い目に遭います。
米国のいろいろなバリュー・ファンド・マネージャーたちも上記の銘柄を愛してやまないです。
もちろん、ここにある銘柄はどれも退屈で死にそうな株ばかりです。でも、長期保有というからには、最低でも5年くらい抱き続ける覚悟で投資してほしいのです。