週足でも日経平均よりTOPIXが優位

 前回のレポートでも指摘した通り、日経平均よりもTOPIXが優位という状況が見られたわけですが、こうした傾向は週足でも見られます。

■(図3)日経平均(週足)の平均足とMACD(2021年3月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

■(図4)TOPIX(週足)平均足とMACD(2021年3月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 図3と図4は、週足の日経平均・TOPIXそれぞれの平均足とMACDの組み合わせです。

 チャートを過去にさかのぼってみても、平均足の転換とMACDのクロスという2つの条件を満たすと、中期的なトレンドの転換になることが多く、このサインに従うだけでも、かなり上手にトレンドに乗って取引できたことが分かります。

 図3の日経平均を見ると、2つの条件を満たしていて、トレンド転換を示唆しています。

 中期的には下落トレンドに変わった可能性があるのですが、先ほどの日足チャートでは上方向への意識が強くなっているほか、先週末の先物取引でも、大阪取引所が2万9,440円、シカゴCMEが2万9,450円と上昇して終えていますので、早い段階で週足のトレンド転換のサインを否定することも可能です。

 そのため、ひとまず日足チャートに従って、上方向に視線を向けるのが良さそうですが、その半面、株価が伸び悩んで下げてしまった場合には、軟調な展開が続いてしまうシナリオが浮上することになります。

 一方のTOPIXについては、図4を見ても分かるように、平均足の転換もMACDのクロスもなく、上昇基調が継続しています。さらに、先ほどの日本銀行のETF(上場投資信託)買い方針の変更は4月からと実施するとみられているため、TOPIXの方が比較的しっかりした動きが想定されます。

 ただ、この点はすでに分かっていることでもあり、むしろ、「4月以降の日銀がETFを買うのはどんな条件なのか?」の方が注目されるかもしれません。

 兎にも角にも今週はイベントの多い週となります。国内では、週初の29日(月)と30日(火)が3月期決算企業の権利確定日と権利落ち日となるほか、1日(木)には日銀短観が発表されます。米国では、月初恒例のISM製造業景気指数や米雇用統計といった経済指標のほか、中国でもPMI(製造業購買担当者景気指数)が発表されます。しかも、米雇用統計が公表される2日(金)はイースター絡みで、米国をはじめとする多くの海外株市場が休場となるなど盛りだくさんのため、相場のムードの変化には注意しておく必要があります。

 まずは、30日(火)の権利落ち日です。リクツの上では配当金の分だけ株価が下がることになりますが、ざっくり見ると日経平均は200円弱、TOPIXも19pほどですので、この下落分を埋められるかが今週の焦点のひとつになります。

 1日(木)には日銀短観が発表されますが、4月下旬からの決算シーズンも控えていることもあり、企業の業績面に着目した銘柄物色の動きも出てきそうです。