李克強が全人代閉幕後に臨んだ記者会見

 中国で1年に一度開催される政治の祭典である全国人民代表大会(通称「全人代」。日本の国会に相当)が閉幕し、前回レポート(中国全人代、GDP成長率「6.0%以上」でも弱気。「失敗しない」が最重要)でレビューしました。そこでは、全人代閉幕後、実質的に最後の一大イベントとなる李克強(リー・カーチャン)総理(以下敬称略)の記者会見に注目と言及し、何かおもしろい話があったと感じたら、翌週のレポートで書きとめたい、と結びました。

 正直、「おもしろい」と感じる場面や、いわゆる「特ダネ」的な話題を見いだせたわけではありません。しかしながら、経済、医療、科学技術、香港、台湾、米中関係など計11の質問に答えた李克強の表情や回答を観察しながら、中国が現在置かれた状況やこれから向かっていく行き先を整理する上で、有益だと思われる指摘や描写が含まれていました。

 本レポートでは、以下、8つの分野をピックアップし、分析していきたいと思います。