PVH

PVH(ティッカーシンボル:PVH)はフィリップス・バン・ヒューゼン(Phillips-Van Heusen)の頭文字を取った企業名です。

同社は1881年に創業されたシャツ・メーカーで、「アロー」という登録商標のシャツで有名です。

その後、同社は2003年にカルバン・クラインを買収、2010年にトミー・ヒルフィガーを買収しています。

現在の売上高構成は、トミー・ヒルフィガーが42%、カルバン・クラインが36%、そしてアロー、ワーナーズ、オルガなどから成るヘリテージ・ブランド部門が22%となっています。

また地域別売上高は米国が55%、欧州が27%、アジアが9%、アメリカを除く米州が9%となっています。

トミー・ヒルフィガーは「アメリカっぽい」スタイルを体現したブランドで、主に25歳から40歳をターゲットにしています。

同社の製品はメーシーズをはじめとする百貨店で売られているほか、自社店舗、アウトレットも展開しています。

トミー・ヒルフィガーはとりわけ欧州で人気のあるブランドで、同ブランドのグローバル小売売上高の約4割が欧州となっています。ブランドEBITマージンは11.9%です。

カルバン・クラインは1968年にファッション・デザイナー、カルバン・クラインによって創業されたブランドです。

カルバン・クラインはニューヨークのマジソン街に旗艦店を持っており、ハイエンドのデザイナー・アパレルならびにアクセサリーを販売していますが、そのブランド・イメージから来る「後光効果」を利用し、ジーンズや下着まで、あらゆるセグメントに進出しています。

同ブランドのグローバル小売売上高の約6割は北米であり、欧州は19%、アジア太平洋は18%となっています。ブランドEBITマージンは14.9%です。

ヘリテージ・ブランド部門のEBITマージンは7.1%に過ぎず、売上高も2014年、2015年と相次いで減少しています。

PVHにとって幸いなのはトミー・ヒルフィガーならびにカルバン・クラインの海外における売上成長が好調だという点です。それを背景に、これらのブランドは今年、年率+5%程度の売上高成長率を実現できる見込みです。