自動車触媒需要、2020年は減少するも、リーマンショック時よりも水準は上

 以下は、プラチナ需要のおよそ30%を占める(2020年時点)、自動車の排ガス浄化装置向けの需要の推移です。

図:プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要 単位:千トロイオンス

出所:WPICのウェブサイトのデータより筆者作成

 2020年、世界全体で見ても、主要消費地である欧州で見ても、自動車排ガス浄化装置向け需要は減少したものの、ともに、リーマンショック時の水準までは低下していません。コロナ禍でも、同需要は歴史的な急減にはなっていないことがわかります。

 また、WPICの見通しでは、世界全体の同需要は、2021年、回復するとしています。有効性が高い新型コロナ向けワクチンが世界的に流通すること、主要国で金融緩和が継続することなどによって、世界景気が回復する可能性がある点を織り込んでいるとみられます。

宝飾需要、2021年に最悪期を脱するか

 宝飾需要は、中国を除けば、コロナ前の数年間が増加傾向にありました。2020年にコロナ禍のため、減少したものの、世界的な景気回復が鮮明になれば、再び増加基調になる可能性があります。

図:プラチナの宝飾需要 単位:千トロイオンス

出所:WPICのウェブサイトのデータより筆者作成