先入観を捨て、株価の動きに従って行動する

 その上で、いつ何が起こってもおかしくないように、「今後株価はこうなるに違いない」という先入観を捨て、株価の動きに従って行動することが重要です。

 例えば「優良な会社を長期保有すれば必ず株価は上昇する」とか「PERが大きく下がったから割安だ。だから買うべきだ」と思っても、株価が下落している間は手を出さないようにします。

 こうすれば、株価が自分の先入観と異なる動きになったとしても、大きな損失を避けることができるのです。

「よい会社の株を長期的に保有すれば株価は必ず上昇する。でも株価が下がっている間は保有を避ける」

「PERが下がっているから株価は割安になった。でも株価が下がっている間は安易に買うのはやめる」

 このように、株価が下がっている間に買い向かうことを避けるだけで、大きな損失をかなりの割合で防ぐことができるはずです。

個人投資家、失敗の最大の理由

 個人投資家の失敗の最大の理由は、買った株がその後、大きく値下がりして塩漬け株になってしまうことです。ですから下がっている間は買わなければよいし、もし買った株が下がったら早めに損切りをしておけば大きな損失は回避できます。筆者は25日移動平均線を割り込んだら売却ないし損切り、割り込んでいる間は新規に買わない、というルールをしっかり守っています。

 コロナ・ショック後に株式投資を始めた方は、株価急落に巻き込まれた経験がないので、おそらく急落のイメージが湧かないでしょう。

 だからこそ、いつまでも右肩上がりの上昇が続くと思わずに、株価が大きく下がったとしても対応できるような売買のルールをあらかじめ作っておくことを強くお勧めします。