先週の結果

2万9,500円半ばまで回復するも、米長期金利の再上昇で一時2万8,308円まで急落

 先週の予測では、2月末の26日(金)に日経平均が▲1,202円の2万8,966円の急落を受けて、3月相場はどうなるのかを考えました。すでに今年の1月後半から日米ともに上昇のスピードが早く、どこで止まるかのキッカケ待ちとしました。これまでにキッカケはあったのですが、弱気材料を無視しての上昇でしたので、市場関係者は「もうはまだなり」と強気のスタンスがほとんどでした。私は、ここからは「節分天井、彼岸底」つまり「2月天井、3月底」となる可能性を想定し、その理由は先週のコメントの中で書きました。

 問題は、個別銘柄をどこまで待って買えばいいのかとなりますが、基本的に今のカネ余り相場では、大きく下げても上昇相場が崩れるような下げとはならないので、日経平均の高値3万円水準から7~8%の下げの、いったん止まりそうなところで個別株を買い下がっていくのがよい、さらにピンポイントを狙うのは、名人でも不可能なので、日経平均の下げに応じて、そこまで下がれば成り行きで買う(またはいくらで買うか指値しておくなど)準備しておくのがよいとしました。

 日経平均がいったん止まるところは500円、1,000円の大台近辺になりやすいので、ここからなら2万8,500円、2万8,000円、2万7,500円と3段階のポイントとしました。

 そう考えれば、4日の▲628円の2万8,930円で柴田罫線に1回目の売り転換が出ており、5日は前場に▲621円の2万8,308円まで下げましたので、2万8,500円水準で買うとすれば、一つ目は前場の終値か、後場の寄り付きで買うことになりました。このときに決断を逃せば、この日は後場、一気に戻して▲65円の2万8,864円で引けてしまいました。

 私は、もう少し下で止まって、12日のメジャーSQに向かって、もう一段下げれば2回目の買いができると思っていました。5日後場に下げ幅を大きく縮小したのは、円安、時間外の米株先物の上昇、上海株、ハンセン株の上昇と、日本銀行のETF(上場投資信託)の買いでした。

 そして、先週の最後のコメントで、今後も長期金利の動きには注意が必要としました。

 4日の▲628円の2万8,930円の下げは、米国主要3指標の2日連続の下げ、上海株、ハンセン株の下げを嫌気したものでしたが、5日の前場の▲621円の2万8,308円の下げは、前日の主要3指標が長期金利の再上昇を受けて、3日連続の大幅下落となったためでした。

 2日は、前日の+697円の2万9,663円を受けて、前場に2万9,996円とほぼ3万円まで上昇しましたが、その後は米長期金利高から米株式が大きく反落したことで、日経平均は5日に2万8,308円まで下落しました。つまり、2日の高値から5日の安値まで4日間で約1,688円下落したことになります。

 5日の日本市場の引け後の米国市場は、時間外で米株先物が上昇していたことを受け、主要3指標とも大幅反発となりました。この背景は、2月雇用統計が予想を大きく上回る強い結果となったことで早期景気回復期待が高まったことによります。前回の非農業部門雇用者数は+4.9万人で、今回は市場予想の+18.2万人を大きく上回る+37.9万人となりました。

 さらに長期金利の低下も加わったことで、NYダウは+572ドルの3万1,496ドル、ナスダックは+196ポイントの1万2,920ポイント、S&P500は+73ポイントの3,841ポイントと主要3指標ともに大幅反発でした。

 これを受けて、シカゴの日経先物は+420円の2万9,180円を反発して引けました。