今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「アメリカ」と「日本」を選択したお客様の年齢に注目します。

 当該質問は複数回答可で、選択肢は、日本、アメリカ、ユーロ圏、オセアニア、中国、ブラジル、ロシア、インド、東南アジア、中南米(ブラジル除く)、東欧、アフリカ、特になし、の13個です。

図:質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「アメリカ」、「日本」を選択したお客様の年齢比
※「アメリカ」のみ、「日本」のみを選択した合計2,083名のデータを参照。

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 上記のグラフは、質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「アメリカ」のみを選択したお客様の年齢の比率と、「日本」のみを選択したお客様の年齢の比率を示しています。

 灰色の点線は、全回答者の年齢の比率です。全回答者では、50代が最も比率が高いことがわかります。40代、60代、と50代から離れれば離れるほど、比率が低下します。

 回答者全体としては、年齢層の頂点(ピーク)は50代ですが、「アメリカ」のみ、「日本」のみを選択したお客様における年齢比率のピークは、異なります。「アメリカ」が40代、次点で50代、「日本」が50代、次点で60代です。

 傾向を映しやすくするため、本分析では、「アメリカ」のみ、「日本」のみ、というように、複数回答をしていないお客様のデータを参照(合計2,083名)しています。

「アメリカ」もしくは「日本」以外を選択されなかったこと、“特になし”を選択されなかったことを考えれば、アメリカもしくは日本以外を「今後、投資してみたい国(地域)」と感じていない、あるいはアメリカもしくは日本こそ、「今後、投資してみたい国(地域)」と感じている、と推測できます。

 そのようなお客様の年齢比率において、「アメリカ」は40代がピークで50代が次点、「日本」は50代がピークで60代が次点だったことを考えれば、個人投資家の皆様全体における一般論として、年代ごとに投資の指向性に差が生じている、と言えると思います。

 これまで、本欄では回答者の比率の推移を着目してきましたが、今回は回答いただいたお客様の年齢を加味して考察しました。“投資指向”と“年代”は今後、注目される研究対象だと筆者は考えています。

 引き続き、「今後、投資してみたい国(地域)」における、各選択肢の年代に注目していきたいと、思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2021年2月調査時点(複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2021年2月調査時点(複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成