「買収価値」と比べて割安な銘柄の見分け方

 日本には今、「買収価値」と比べて割安な銘柄が多数あります。「買収価値と比べて割安」と言えるのは、どのような企業でしょうか?「収益基盤がしっかりしていて財務内容が良好」、かつ、「1株当たり純資産(資本)の価値よりも株価が小さい企業が、買収価値対比で割安」ということができます。

 そこで見るべきは、PBR(株価純資産倍率)という指標です。PBRとは、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。PBRは1倍以上になるのが普通ですが、財務や収益力に問題のある銘柄では、1倍を割り込むものもあります。もし、財務や収益力が良好なのに、PBRが解散価値と言われる1倍を大きく下回っている銘柄があれば、買収価値から割安と言えます。図で示すと、以下のような銘柄です。

PBR0.5倍:イメージ図

注:筆者作成

 今日、注目するのは、見かけ上のPBRではなく、含み益を考慮した実質PBRです。保有不動産の含み益の70%を自己資本に加えた上で、計算し直したPBRを、実質PBRと呼んでいます。