ブームが続く間、ずっと下がっていた不動産株
日本の不動産株がどう推移してきたか、見てみましょう。不動産ブームが続いている間は上昇し、ブームが終わってから下がっていると思うかもしれませんが、そうではありません。2013年に高値をつけてから、ずっと下がってきていました。つまり、2014~2019年にブームの最中でも、株価は下がっていました。
東証不動産株価指数の動き:2004年1月~2021年2月(24日まで)
2007年の不動産ミニバブルとその後のミニバブル崩壊では、不動産株は、急騰した後、急落しました。その時の学習効果があったと思われますが、2014~2019年の不動産ブームでは、不動産株は上昇しませんでした。いずれ不動産ブームがピークアウトすることが意識されていたと考えられます。
2020年にはコロナ禍が起こり、実際にブームはピークアウトしましたが、株価はそれを早い時期から織り込んでいたと言えます。2020年にコロナショックで下がった不動産株は、2021年にかけて急反発しています。買収価値から見て割安な株価が見直されていると考えています。
不動産業は市況産業です。過去に、不動産市況の上昇下落に対応して、ブームと不況を繰り返してきました。過去を振り返ると、1973年・1990年・2007年に市況のピークがありました。1973年は列島改造論のブームの中で不動産市況が高騰しましたが、オイルショックが起こると崩落しました。1990年の不動産バブルは1990年代に崩壊しました。2007年の不動産ミニバブルは2008年のリーマンショックで崩壊しました。
学習効果で、投資家は、ブームのときに不動産株を買わなくなりました。そのため、ブームがピークアウトしても、不動産株が大きく下落することもなくなっています。足元は、買収価値対比で割安な株価が見直されていると考えています。