TOBは「ラッキー」?それとも「不運」?

 筆者はこれまでも保有株がTOBの対象となったことが何度かありますが、いずれの場合も買値からは大きく上昇した株価で売却することができています。

 しかし、人によってはTOBの買付価格が、自身の買値からはるかに低い…ということもあるのではないでしょうか。

 例えば、現在TOBの対象となっているケネディクス(4321)の買付価格は750円で、現在の株価もそれに近い価格になっています。2018年以降にケネディクス株を買った場合は、買値より高い株価で売却できることになります。

 しかし、ケネディクス株は2005年12月には4,080円の高値を付けています。2005~2008年にケネディクス株を買って今まで保有を続けている方は、750円の買付価格では大きな損失となってしまいます。

 また、先日TOBの事例としてご紹介したN・フィールド(6077)も、2014~2018年には株価が2,000円を超えることもたびたびありましたが、その時に買った人は、今回の買付価格1,200円は買値よりかなり低い株価になってしまっています。