長期金利と株式

 一般に長期金利と株式は「ご近所さん」というふうに考えられています。

 金利には返済期限が翌日物の短期金利から始まって3カ月、1年、5年、10年、20年……というふうにだんだんお金を返す期日が長くなる長期債の金利もあります。償還期限(デュレーション)の考え方からすると株式は「お金を返済する必要のない借金」というふうにも捉えることができます。その意味で、10年、20年、100年……という期日の延長線上の一番遠いところに、「無期限の債券」として株式は位置しているのです。

 いま10年債の利回りが上のチャートで見たように急上昇しているということは、債券価格という面から考えると急落していることになります。

 すると株式の「お隣さん」のアセットである長期債が売られているということは、株式もその地合いの悪さに付き合わされるリスクがあることを示唆しているのです。

 一般に金利が上昇する局面でいちばんこっぴどく売られるのは高いバリュエーションにまで買い進まれている人気株とか小型の投機色の強い株です。

 したがって今のような局面ではそういう銘柄を避けインデックス・ファンドのような値動きのマイルドな投資対象にシフトしたほうが良いです。