フェイスブック

フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の第4四半期決算はEPSが予想$1.31に対し$1.41、売上高が予想84.9億ドルに対し86.3億ドル、売上高成長率は前年比+53.1%でした。

デイリー・アクティブ・ユーザー(DAU)数は前年比+18%の12.3億人でした。予想は12億人でした。ちなみに第3四半期は11.8億人(+17%)だったのでDAU成長率は加速しました。

モバイルDAUは+23%の11.5億人でした。

マンスリー・アクティブ・ユーザー数は前年比+17%の18.6億人でした。予想は18.4億人でした。ちなみに第3四半期は17.9億人(+16%)だったのでMAU成長率も加速したことになります。とりわけインドなどのアジアにおけるMAU成長が顕著でした。これはサード・パーティーのプロモーションが一役買っています。

モバイルMAUは+21%の17.4億人でした。

広告収入に占めるモバイル比率は84%でした。

広告単価は+3%成長でした。単価の上昇には、色々な要素が絡んでいます。

今回の決算は、大統領選挙本投票の時期を含んでいるわけですが、選挙絡みの広告の出稿は、トップ10顧客ではありませんでした。売上高の伸びは、主に中小企業からのクリスマス商戦期間の出稿増という季節性によります。

2016年通年の設備投資額はガイダンスにほぼ一致する44.9億ドルでした。

フェイスブックが前回の第3四半期決算発表の際に示した「今後広告の表示頻度の増加は減速するので、売上高成長率は下がってくる」という考え方、ならびに同社の売上見通しには変更がないことが確認されました。

従業員数の増加率は2017年には加速するという見方が示されました。したがってGAAP費用成長率は+40~50%、ノンGAAP費用成長率は+47~57%になるとしています。

2017年の設備投資は70~75億ドルを見込んでいます。

インスタグラムは現在、4億人のユーザーを抱えていますが、いわゆるフォロー・モデル、すなわち「友達」にならなくても有名人などを簡単にフォローできる仕組みなので、有名人比率が高いです。広告戦略策定に際しては、本体のフェイスブックとの違いに配慮しながら、インスタグラムの特徴を生かしたやり方を目指します。またインスタグラムは広告の表示頻度はまだ低いので、今後表示頻度は上げてゆく考えです。

フェイスブックはFASB(米国財務会計基準審議会)の提唱するASU第2016-09号「従業員に対する株式に基づく報酬に関する会計処理の改善」を率先して採用しました。これにより過去に遡って会計処理の仕方が変更されています。

従来の会計基準では、ストック・オプションの権利行使にまつわる税務上の超過利益(excess tax benefit)は、払い込み余剰金(additional paid-in capital)となっていました。

しかしASU第2016-09号では、超過利益や欠損金(tax deficiencies)は納税のための法人税引当金(provisions for income taxes)から引き算されることになります。

また、ここから発生するキャッシュフローは、これまではファイナンシング活動として捕捉されてきましたが、今後は営業活動、すなわち営業キャッシュフローの変動として反映されます。

このことは今後のフェイスブックの当期利益のボラティリティ(=ブレのこと)が少し高まることを意味すると思います。

なおフェイスブックは会計報告の「GAAP(一般に受け容れられている会計基準)化」を進めています。これは良い事だと思います。