インテル

インテル(ティッカーシンボル:INTC)の第4四半期決算はEPSが予想75¢に対して79¢、売上高が予想157.5億ドルに対し164億ドル、売上高成長率は前年比+10.1%でした。

部門別では、クライアント・コンピューティング・グループ売上高は+4%の91億ドル、データセンターグループ売上高は+8%の47億ドル、IoTグループ売上高は+16%の7.26億ドルでした。

第1四半期のEPSは予想61¢に対し新ガイダンス65¢、売上高は予想145.1億ドルに対して新ガイダンス148億ドルが提示されました。グロスマージンは63%を予想しています。

2017年度のEPSは予想$2.81に対して新ガイダンス$2.80、売上高予想608.5億ドルに対して新ガイダンス595億ドルが提示されています。グロスマージンは63%を予想しています。

インテルはマイクロン・テクノロジー(ティッカーシンボル:MU)とジョイント・ベンチャーを組み、3D Xpoint(=「スリー・ディー・クロスポイント」と読みます)という画期的な新製品を量産し始めています。

1947年に半導体が発明されて以来、メモリーの新技術は、これまでに6種類しか出ていません。もっとも最近のイノベーションは1989年に登場したNANDです。

3D Xpointは電子(electron)を保存するのではなく、チップの素材そのものを変質させることでデータを保存します。その手法をインテルは「バルク・マテリアル・プロパティ・チェンジ」と呼んでいます。

この方法だとNANDより1,000倍速いだけでなく、集積度も10倍になります。しかもノン・ボラタイル(non-volatile)、すなわち作業中に突然電源が落ちてもデータが絶対に失われないという特性を持っています。これは顧客の大事なデータをずっと遠い将来まで保存・管理しなければいけないクラウド・サービスを始めとするデータセンター顧客にとっては大変魅力的です。

自動運転車がアメリカ中を走り回りはじめると、それらは膨大なデータをデータセンターから遠隔的に呼び出しながら走ります。そしてその逆に自分の走行データはどんどんデータセンターにフィードバックされます。このことはデータの量が等比級数的に増えてゆくことを意味します。

このようにして、2020年までに44ゼタバイトのデータが生成されると言われています。ゼタバイトはテラバイトの10億倍です。

しかしそのような膨大なデータは、それを利用するプロセッサに接近して保存されないと、出し入れに時間がかかるようでは意味がありません。3D Xpointは集積度が高いため、レイテンシー(遅延)を小さくすることが出来ます。3D Xpointが音声認識や自動運転車にとりわけ適したメモリーだと考えられている理由はここにあります。

インテルとマイクロンは、今年、ユタ工場で3D Xpointの量産を開始します。ゆくゆく3D Xpointの価格は、DRAMとNANDの中間あたりになると予想されます。