JPモルガン・チェース

JPモルガン・チェース(ティッカーシンボル:JPM)の第4四半期決算は、EPSが予想$1.42に対し$1.71、売上高が予想234.8億ドルに対し234億ドルでした。売上高成長率は前年比+2.1%でした。なお第4四半期の決算は4.75億ドル(=13¢)のタックス・ベネフィットを含んでいます。

純金利収入は、融資残高成長と金利上昇により前年比+5%の121億ドルでした。

第4四半期の株主資本利益率(ROE)は11%でした。

貸倒引当金は前期比-13億ドルの8.64億ドルでした。コンシュマー部門とホールセール部門の両方で合計4億ドルの引当金解除を行いました。

コンシュマー部門では住宅ローン市場における信用改善が見られました。その反面、クレジットカード部門での信用の状況は引き続き劣化しています。これはある程度、意図的にやっていることです。それというのもJPモルガン・チェースは去年の後半にクレジットカードの電算システムをアップグレードし、それを武器にクレジットカード市場でマーケットシェアUPを狙っているからです。

次にホールセール部門に目を転ずると、石油&天然ガス向け、ならびに金属鉱業向け貸付において信用の改善が見られました。

平均コア融資は+14%でした。平均預金残高は+11%の6,070億ドルでした。クレジットカード売上ボリューム成長率は+14%でした。マーチャント・プロセス・ボリュームは+10%でした。

投資銀行部門売上高は14.9億ドルでした。これは予想より若干悪かったです。債券部は+31%、株式部は+8%でした。

一株当たりブックバリューは+6%の$64.05でした。一株当たりタンジブル・ブックバリューは+7%の$51.44でした。

ジェイミー・ダイモンCEOは「米国経済のモメンタムは強まっている。米国が健全で合理的で思慮深い政策を採用する可能性が強まっている。それは成長を加速させ、幅広い所得層に渡って新規の雇用を創出すると思われる。JPモルガン・チェースもその中で一役買うことが出来る良い立場に立っている」とコメントしています。

2017年第1四半期の純金利収入は前期比微増を見込んでいます。

JPモルガン・チェースには他行に比べて著しく見劣りする部門は皆無で、オールラウンドに強いと思います。