【今日のまとめ】
- 銀行セクターの第4四半期決算が出揃った
- JPモルガン・チェースはオールラウンドに強い
- シティグループはメキシコ事業が曲がり角に来ている
- ウエルズファーゴは純金利マージンの拡大が見られた
- バンク・オブ・アメリカは今後の純金利マージン拡大に楽観的
- ゴールドマン・サックスはマーケットメーキングを伸ばす余力がある
- モルガン・スタンレーは債券部が予想外の好成績を出した
第4四半期決算が出揃った
銀行株の第4四半期決算が出揃いました。
第4四半期中に米国での大統領選挙が行われ、それに前後して米国財務省証券が売られたほか、ドル高、株高になりました。また原油価格はOPECの減産合意で上昇しました。
このようなマーケットの動きが機関投資家のトレーディングを活発化した結果、各行ともトレーディング収入は好調でした。
その反面、長短金利差は拡大する兆しを見せているものの、まだそれほどスプレッドは広がっていません。
スプレッドの拡大で恩恵を受けるのは新規の融資だけなので、ウエルズファーゴを除き、未だ純金利マージンの拡大は見られませんでした。
このため各行の売上の増加は、おもに融資残高増から発生しています。
次に純利益では、ウエルズファーゴを除く各行が増益でした。
株主資本利益率(ROE)ではゴールドマン・サックスの伸びが著しかったです。
またメガバンクの中ではJPモルガン・チェースのROEがウエルズファーゴを上回りました。
去年までのデフレ環境は、銀行にとって厳しい経営環境でした。しかしトランプ新大統領の誕生で、GDP成長は加速することが予想されますし、インフレにも弾みがつくと思われます。
銀行の顧客は、そのように経済の大前提が変化しはじめる局面では、資本政策の変更や、ポートフォリオの入れ替えを急ぎます。それは銀行の収益にとって好環境です。したがって2017年は基本的に銀行株にはフォローの風が吹いていると考えて良いでしょう。