トレンドは維持されているが、転換の兆しが出現

 続いて、週足チャートでもトレンドに変化がないか確認していきます。

■(図2)日経平均(週足)の線形回帰トレンドとMACD(2021年1月29日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 週足のチャートでは、先週の下落によって、上放れしていた線形回帰トレンドの+2σ(シグマ)のあたりまで押された状況です。また、下段のMACDについても、下向きに方向を変えているものの、シグナルとのクロスはまだ実現していません。クロスが発生するまでは、トレンドが転換したと判断するには早いと言えそうです。

 ただ、強いて言えば、先週と前週のローソク足の組み合わせが「抱き線(包み足)」となっている点には注意が必要です。一般的に、天井圏での抱き線の出現は転換の兆しになりやすい形とされています。

 今週から2月相場入りとなりますが、引き続き国内外の企業決算動向をにらみながらの展開となる中、月初恒例の米雇用統計が週末に控えているほか、7日(日)に期限を迎える国内緊急事態宣言の解除・延長の議論、さらに翌週には中国の春節を迎えるというタイミングでもあります。

「材料やイベントが多いことで、方向感が出にくくなりそう」というのが基本的な想定シナリオになりますが、米株市場で発生した、個人投資家による一部の投機的な取引をめぐる動きが警戒材料として浮上してきたことは気掛かりです。