バブル時代に適した売買ルールがある

 でも、日本株も暗号資産のように長期保有してボラティリティーが高い間も何もせず、ジッとしていてよいか、というと、それは考えものです。

 実際、日経平均株価が30年ぶりの高値になった一方で、個別銘柄を見ると30年前の株価よりはるかに低いものも数多くあります。何でもかんでも持ち続けてよい、というわけではありません。

 また、筆者の場合、暗号資産は最悪ゼロになってもよいと思っているからこそ長期保有していますが、日本株はそういう考えではなく、しっかりと利益を得る目的で投資していますから意味合いが異なります。

 やはり株価が下降トレンドに転じたら、保有株は売却しておくべきです。例えば25日移動平均線割れで売却しておけば、かなりの高値圏で売却できますが、もし、バブル崩壊につながったなら、そこから株価が3分の1、5分の1、10分の1になってもおかしくないからです。

 その一方、売却した後に株価が急騰してしまい、買い直すことがうまくできないかもしれません。ボラティリティーが高い場合、この事象はよく起こります。

 こんなとき、高値で慌ててジャンピングキャッチするのはリスクが高い行為です。売却後に急騰してしまって買い直せなかった場合は、その株はあきらめて、まだ移動平均線からのかい離が小さい銘柄を買うなどして、余計なリスクを負わないようにしましょう。

 バブルはいつか崩壊するもの。そして、それはかなり株価が下がった後でないと分かりません。

 持ち続けて含み損が膨らむことこそ、絶対に避けるべきことです。利益を取りこぼすより大きな損失を回避することを第一に考えて、バブル相場を生き残っていきましょう。

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