TOPIX:日足チャートに「抱き線」が出現

 同様に、TOPIX(東証株価指数)の日足チャートでも確認していきます。

■(図2)TOPIXの日足チャート(2021年1月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 TOPIXの場合、15日(金)と14日(木)のローソク足の組み合わせは、「抱き線」となっています。抱き線とは、「包み足」とも呼ばれ、当日のローソク足の実体が前日の実体をすっぽり包みこむような形のことを指します。先ほどのかぶせ線と同じように、抱き線も買いの勢いが弱まるサインですが、一般的に天井圏でこの抱き線が出現すると転換の兆しとして意識されやすい形とされています。

 さらに、移動平均線と株価の絡みについても、15日(金)に5日移動平均線を下回って取引を終えています。

 したがって、株価が下落に転じる展開への警戒を持つ必要がありそうですが、冒頭でも触れた通り、今週はイベントが多く予定されています。利益確定売りに押される場面があっても、見極めムードが強まる相場地合いであれば、これまで通りの「下げ切らない強さ」を発揮するかもしれません。チェックしたいのは、前回のレポートでも指摘した25日移動平均線との乖離(かいり)率です。

■(図3)日経平均(日足)と移動平均乖離率(25日)(2021年1月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 昨年12月の時のように、上昇が一旦ストップした後、乖離率5%水準を往来しながらもみ合って日柄調整していくのか、それとも6月の時のように、株価が0%付近までの値幅調整をしていくのかがポイントです。