日経平均3万円達成には、金融緩和やコロナ以外にも強い買い材料が必要

 もっとも、2020年相場が歴史的な動きだったことを踏まえると、この想定レンジを超える場面も考えられますので、月足チャートの線形トレンドもチェックします。

■(図5)日経平均(月足)の動きと線形回帰トレンド(2020年12月28日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 月足の線形トレンドは2008年10月の安値を起点に描いています。

 足元の株価水準は+1σを少し超えた辺りに位置しており、このまま+2σまで上昇していく展開も想定されます。ただ、2021年末の+2σの株価は2万9,512円と、こちらも週足と同様に3万円台に届いていません。そのため、2021年中に日経平均が3万円に乗せるには、金融緩和ありきの前提やコロナの状況次第という前置きをクリアすること以外にも、強い買い材料が必要になると思われます。

 なお、2021年は丑年で、相場格言上は「丑はつまずき」とされています。実際に過去の丑年の日経平均騰落率をさかのぼってみると、2009年(19%高)、1997年(21%安)、1985年(13%高)、1973年(17%安)と上げ下げが交互に訪れています。このパターンでいけば今回は下落する順番で、あくまで相場格言上の話ではありますが、あまり良い巡り合わせではないようです。そのため、相場は年間を通じて順調に上昇していくというよりも、相場格言の通り「つまずき」を幾度か経験しつつ、次の方向感を探っていくという展開になるのかもしれません。

 最後になりますが、2020年も当連載レポートをお読みいただきありがとうございました。引続き2021年もよろしくお願いいたします。