2021年の想定レンジは2万4,000円~2万8,000円あたり

 ただ、19年間の下げ幅を12年間かけて戻してきたわけですので、果たして2021年の1年間で達成できるのかという時間軸の問題が残ります。

 そこで、見ていきたいのが下の図3です。

■(図3)日経平均(週足)の動きと線形回帰トレンド(2019年12月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 実は、この図3は昨年末のレポートに掲載した週足の線形回帰トレンドのチャートをそのまま掲載しています。

 当時の予想では、紫色で塗りつぶされた部分を2020年の想定コアレンジとしていました。2020年末時点の線形回帰トレンドの+1σ(シグマ)は2万6,260円、+2σが2万7,630円、反対方向については、▲1σが2万3,500円、▲2σが2万2,130円でした。

 結果として、下値の予想はコロナ・ショックで大きく外れてしまいましたが、上値についてはほぼ想定内だったことになります。2020年相場は歴史的な値動きだった割には、トレンドの動向を探るテクニカル指標から見ると、大きく想定を外れていなかったことになるため、今年もこの線形トレンドで2021年の想定レンジを探ってみたいと思います。

■(図4)日経平均(週足)の動きと線形回帰トレンド(2020年12月28日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 足元の株価は+2σに向かおうとしているところですが、チャートを過去にさかのぼると、「底打ちからの反発後、しばらくもみ合いが続いて上値トライの上昇」という値動きのパターンが2016年の時と似ています。

 このパターンが今回も繰り返されるのであれば、+2σ辺りでいったん天井をつけて株価が調整し、再び+2σをトライしていくという値動きが想定され、紫色の部分、大体2万4,000円~2万8,000円あたりが2021年の想定レンジになります。

 ちなみに、現時点での2021年末の+2σは2万8,384円と3万円に届いていない他、+1σは2万6,740円、中心線が2万5,096円、▲1σが2万3,453円、▲2σが2万1,809円です。