資産運用で一番味方にするべきは「時間」

 繰り返しお伝えしたように、資産運用で一番味方にするべきは「時間」です。一つの株式に集中投資することはお勧めできませんが、自分が積み立てる金額に合わせて目標達成に必要なリターンを逆算し、世界株式に集中投資するも良いですし、いくつもの資産に分散投資をするのも良いでしょう。

 楽天証券の積立かんたんシミュレーションなら、毎月積立額、積立期間、目標額、必要な年間リターンのうち3つを組み合わせて、「最終積立額」や目標金額達成のための「毎月積立額」「積立期間」「目標リターン」が算出できるので、試してみるといいでしょう。

 例えば、40歳男性が定年の65歳までに2,000万円を貯めたい場合、最終積立金額2,000万円で積立期間を25年とした上でリターンを5%とすると、毎月3万3,585円を積み立てる必要があると計算できます。

 条件を変えて比較することもできますので、自分の収支や生活スタイルにあったやり方を何度でもシミュレーションしてみましょう。

投資で資産運用をする場合の注意:リスクとコスト

 ただし、投資で資産運用をする場合、注意点が二つあります。

 一つは、自分にとって許容できるリスクの範囲内の投資であること。リスクを取るほどリターンも期待できますが、自分の許容範囲外の値動きをしたときに損失が膨らむと継続できずに投資を辞めてしまう人がいます。これでは長期投資という前提が崩れてしまうので、あくまで「自分」という主観で取れるリスクの範囲を考えておきます。

 もう一つは、コストを計算して投資することです。資産運用をするには売買や商品を保有中にかかる費用など、商品ごとにコストがかかっています。最終的に商品を選ぶ際には、こうしたコストを考慮した上で検討しましょう。

 基本的には、日経平均株価や米S&P500種指数などの指数に連動する投資信託に投資するインデックス投資で積立投資することがお勧めです。この投資法の重要なメリットは、売買のタイミングを気にせず、個別の業種、テーマなどにこだわらずに市場全体に投資できることです。

 そうすることで、個々人の感情に影響を受けないように淡々と長期投資をすることが可能になり、投資に時間を取られることもありません。

 投資経験の少ないうちは、無理して目標に必要だからと、あなたにとって大きな金額で始める必要はありません。資産運用はよく長距離マラソンに例えられますが、準備期間に時間をかけてもいいのです。