1:法改正により今の会社で70歳まで働けるようになる!?

 2021年4月に「改正高年齢者雇用安定法」が施行されます。これにより事業主は従業員に対し、「70歳までの就業確保措置」が努力義務となります。

 新聞などの見出しだけを見て「70歳まで仕事と収入が得られるなら老後資金がなくても何とかなる」と考える人もいるようですが、それは大きな勘違いです。

 あくまで「努力義務」であり、企業が措置をとらなくとも罰則規定はありません。さらに賃金に対する規定も設けられていません。

 つまり、60歳、65歳以降も同じ会社で働けるかもしれませんが、現状では定年以降の給与収入は大幅にダウンします。働く場があり、収入が見込まれるのは老後に向けての大きな助けになりますが、完全リタイア後の年金生活になると、年金だけでは暮らしていけないため老後資金作りはやはり必要です。

 勤務先の再雇用制度の詳細に目を通しておくといいでしょう。

2:2021年もボーナスが大幅ダウンすると、ボーナス依存家計は致命的

 2020年は、コロナ禍で業績アップとなった一部を除いて、多くの企業で夏、冬ともに例年に比べてボーナス支給額がダウンしました。

 今年は、「コロナに負けない家計づくり」と題したセミナーを何度か行いました。その中で「ボーナス依存から脱却しましょう」と提唱すると、ドキッとした表情の参加者が数多くいたことが印象的です。

 ボーナス支出を洗い出してみると、固定資産税や自動車税など税金納付、子どもの塾の夏期講習や冬期講習費用、家電製品の買い替え、旅行費用、帰省費用、夫婦の小遣いなど多岐の項目があります。コロナ禍では、帰省費用、旅行費用はかからないかもしれませんが、それらを除いてもボーナスをあてにしている支出は50万円を超える家庭が多数です。コロナ禍で、ボーナス支給額がダウンすると、予定するボーナス支出を賄えない事態に陥るかもしれません。

 2021年の経済は、まだまだ新型コロナの影響が残りそうです。企業が経費削減など見直しを行うように、個人も支出の見直しに取り組み、「ボーナス依存」を改めるようにしましょう。