足元の状況は「天井圏の形成」というより、「中段もちあい」

 ここで気になるのは、この横ばいの展開が「上値が抑えられつつ天井圏を形成している」のか、それとも「上昇基調の中での中段もちあい」なのかです。

 そこで、MACDでトレンドの強さもチェックしてみます。

■(図2)日経平均(日足)の動きとMACD(2020年12月18日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 足元のMACDは、上の図2を見ても分かるように、MACDとシグナルの2本の線とも下向きとなっていますが、MACDがシグナルを下抜けるクロスとなったのは、ちょうど12月7日の包み足の出現時です。

 そこからの値動きを踏まえれば、少なくとも11月の上昇基調はいったん止まったと言えます。ただし、このまま株価が下落へと向かうというわけではありません。チャートをさかのぼった6月の時のように、MACDが0円ラインまでの下降基調を描きつつ、株価自体はもみ合いが続く展開になる可能性があるわけです。その場合、今後の日経平均は25日移動平均線を強く意識する動きが想定されます。

 そして、チャート全体で俯瞰すると、6月までの上昇から長いもみ合い期間を経て、11月の上昇となっているため、足元の状況は「天井圏の形成」というよりは、やや「中段もちあい」に近いと考えられます。

 したがって、上方向のもちあいブレイクのポイントは、引き続き12月7日高値や2万7,000円台の節目となり、下方向については、2万6,000円台と11月24日の窓埋め水準(2万5,555円)が目安になります。

 仮に、下方向に動いた場合、まだ25日移動平均線と75日移動平均線とのあいだにギャップがあるため、株価が深押ししてしまう展開には注意が必要ですが、それでも目先は逆に意外高となるかもしれません。

 というのも、前回のレポートでは、「クリスマスが近づくにつれて薄商いが予想される中、IPOラッシュのためマザーズに注目」としていましたが、実際のところ、東証1部の売買代金はあまり減少することはなく、マザーズ指数の反発も限定的なものとなり、想定とは異なる展開でした。

 株価が横ばいを示しつつ、売買水準が維持されているということは、さまざまなポジションが「いい感じ」で整理されていると考えることができるため、今後、売買が減少したタイミングで、コロナ状況の改善や為替の円高一服、米国の追加経済政策の前進、米株市場のさらなる上昇などが重なれば、株価がピョンと上昇し、日経平均2万7,000円台乗せの場面があるなど、ちょっとしたクリスマスプレゼントがあるかもしれません。