2:金(ゴールド)に比べて出遅れ感が強く、投資用需要が拡大

 以下は、プラチナと金(ゴールド)の価格推移です。

図:NYプラチナ先物とNY金先物の価格推移(期近 月足 終値) 単位:ドル/トロイオンス

出所:ブルームバーグより筆者作成

 足元、金(ゴールド)価格は1トロイオンスあたり1,830ドル近辺です。プラチナ価格のおよそ1.8倍です。貴金属に長期投資をする前提で、同分野の主要銘柄で、価格を比較しやすいある金(ゴールド)、プラチナの2つから仮に1つ、選択する場合、何を根拠に、どちらを選択するでしょうか。

 2016年から価格が約2倍になり、今年8月に史上最高値を更新した金(ゴールド)も、さらに上値を伸ばす可能性はあると、筆者は考えています。金の2021年の予測については「金(ゴールド)市場2021年10大予測:2021年の年末、2,100ドル超えも?!」をご参照ください。

 金(ゴールド)もよいと考える一方、例えば、“決められた額の投資資金で保有できる数量”を根拠に銘柄を選ぶ場合、1単位あたりの価格が金(ゴールド)のおよそ半値のプラチナであれば、決められた額の投資資金で、金(ゴールド)の2倍弱の数量を保有することができます。

 “数量”に重点を置き、1単位あたりの価格の関係を考慮すれば、今は、金(ゴールド)よりも、プラチナを保有するほうが、メリットがあると言えると思います。

 世界的なプラチナの調査機関であるWPIC(World Platinum Investment Council)は統計で、近年、プラチナ需要の中でも、投資用の需要が増加していると、公表しています。“数量”に重点を置いた投資家が増加していることを示唆していると、考えられます。