5:エアトリ(6191・東証1部

 格安航空券の比較サイトを運営。「航空券販売に強みを持つ新興のインターネット旅行代理店(OTA)ですが、コロナ禍の影響を大きく受けており、株価も比較的割安な水準まで下落しています。もともと経営力に強さを感じていた企業だったので、世の中がコロナ禍を克服して平常時に戻ってきたときは面白いと思います。短期的にはコロナ第3波が広がる懸念があり、今すぐに購入というよりは、まずは慎重に株価動向をウオッチしておきたい銘柄。株価のもう1段階の下落を待つとともに、平常時に戻ったあと、どんな成長戦略を打ち出すかを注意して見ておくと、ひょっとしたら大化けが狙えるかもしれません」(すぽさん)

6:Fringe81[フリンジハチイチ](6550・東証マザーズ)

「ネット広告の代理店ビジネスと、従業員の連携を高める社内SNSサービス『Unipos』が二大柱といえる企業です。Uniposは、働く仲間やスタッフ同士で日ごろの仕事の成果や行動を賞賛し、『ピアボーナス(同僚からの特別手当)』という形で少額の成果給を送りあえるサービスです。まだ投資期という位置づけで、戦略的な広告投資で赤字だったところに、コロナ禍によってネット広告事業も崩れてしまい、業績が悪化。株価も低迷しています。その一方でUniposユーザーは着実に増えており、回収期が近づいていると考えます。業績ともに株価が反転し始めると面白いと考えます」(すぽさん)

バブル発生と崩壊の規則性を学び、コロナ危機を回避!

「今年の投資成績は任天堂やブティックスの好成績もあって11月末時点で前年比+25.5%です」と語るすぽさん。その輝かしい戦績に大きく貢献したのが最近、学んでいるという経済物理学の「ドラゴンキング理論」。物理学の観点から、バブルの発生と崩壊の動きを読み解く理論で、「対数周期」という規則性のある軌道でバブルにおける株価の値動きを解明するものだそう。 

 その理論が発したシグナルのおかげで、コロナ・ショックに見舞われる前の1月下旬や、コロナショック後に右肩上がりで上昇が続いた東証マザーズ市場が調整した10月直前には持ち株をすべて売却。見事、ノーポジで株価下落を逃げ切ることができた。バブルといえるような株価上昇をあえてノーポジでやり過ごすのはとても勇気がいること。学者肌で、探求心旺盛なすぽさんだからこそできた暴落回避の離れ業といえるだろう。

すぽさんプロフィール

 対話型の人気ブログ『すぽさん投資ブログ』を運営。ブログに書かれた精緻な企業分析は一投資家を超えて、研究者や大学教授のような探求心にあふれている。サラリーマン時代には、独自の割安成長株分析を駆使して、5年4カ月で資産10倍を達成。その投資手法は中長期的に10倍高が狙えるような隠れた成長割安株を徹底的に探して投資する、まさにこの記事にぴったりのスタイルといえる。2019年に刊行した著書『10万が100万になる株の本当の探し方』(ぱる出版)がベストセラーに。

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人気投資ブロガー・すぽさん 前編
割安株投資から成長株投資に転換するまで