新規失業保険申請の傾向は?

 失業者の傾向を知るうえで重要なデータが新規失業保険申請件数です。このデータは前1週間に新規に失業保険が申請された件数で、多いほど失業者が増加していることを示します。10月25日発表の新規失業保険申請件数は77.8万件で、予想、前回(73.0万件、74.2万件)よりも増えて2週連続で上昇しました。失業者が増加傾向にあるということです。

 また失業保険「継続」受給者数もわずかながら増加。継続受給者が多くなっているということは、失業保険への加入(流入)者が脱退(流出)者よりも多いという意味で、再雇用が進んでいないことを示しています。

ディズニーの大量解雇

 米ディズニーは11月25日、3万2,000人をレイオフ(一時解雇)する計画を明らかにしました。新型コロナウイルスの感染拡大でカリフォルニア州のテーマパークが現在も休園を強いられていることが主な理由です。削減対象の大半はテーマパーク部門であるディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツの従業員で、実施予定は2021年上半期。

 ディズニーはすでに9月に、テーマパークのショーの出演者などパート従業員の67%に相当する約2万8,000人の一時解雇を発表していました。今回さらに4,000人を追加解雇することになったのですが、今後さらに増える可能性もあります。

 ディズニーのような企業が心配していることは、新型コロナによって人々の行動様式が長期的に変化してしまうことです。例えば海外旅行に不安やおそれを感じることが意識として定着するだけでなく、いずれそれが旅行に出かけること自体に興味を失ってしまう。そのような人々が増えることが懸念なのです。