集中投資をしていると、被弾の可能性も資産大幅増加の可能性も高まる

 筆者は、株式投資でのリスクをできるだけ小さくするための手段の一つとして、多数の銘柄に資金を分散して投資しています。

 その一方、2~3程度に銘柄を絞って集中的に資金を投下するという方法を取っている人もいます。

 専門家のアドバイスも、できるだけ資金を分散させるべきという方もいれば、できるだけ集中して特定の銘柄に絞って投資すべきという方もいます。

 この集中投資と分散投資の差は、決算発表シーズンに如実に現れます。

 仮に、もし3銘柄のみに資金を集中して投資していた場合、3銘柄中1銘柄でも決算発表をきっかけに株価急落となれば、かなりの痛手になるでしょう。

 でも、資金を数十銘柄に投資していた場合、そのうちの数銘柄が決算発表により株価急落しても、それほど大きなダメージとはなりません。1銘柄当たりの投資額が小さいからです。

 逆に、決算発表により株価が急騰する銘柄も少なくありません。もし3銘柄のみの集中投資であれば、そのうち1銘柄でも株価が大きく上昇すれば、プラスのインパクトは相当なものになります。しかし、数十銘柄に資金を分散している場合は、そのうちの数銘柄の株価が大きく上昇しても、全体としては大した増加にはなりません。

投資資金が少ない人の方が対応は難しい

 筆者は多数の銘柄に分散して投資することで、決算発表によりいくつかの保有株が大きく値下がりした一方、大きく値上がりした銘柄もあったため、トータルでは大きな痛手を負わずに済みました。

 ただ、投資資金が少ない方は、そもそも多数の銘柄に分散して投資できないため、決算発表後の株価急落の影響をもろに受けてしまうケースも少なくありません。運が悪いと、投資していた3銘柄全ての株価が急落し、大きく資産を目減りさせてしまった……などということも起こってしまいます。

 もちろん、逆に持ち株がみんな大幅高、というケースもあり得ますが、株式投資を長く続けたいのであれば、大きな損失をできるだけ避ける方が重要であると筆者は考えています。

 そこで、選択肢としては大きく以下の二つになります。

(1)資産が大きく目減りするリスク覚悟で、決算発表シーズンも保有を続ける

(2)資産が大きく目減りするリスクを避けるため、決算発表直前の株は保有しない