3:具体的な組み入れ銘柄は(確認した方がよい・確認しなくてもよい)

解答:確認した方がよい

 実は、筆者がテーマ型ファンドを評価するにあたって最も注目しているのは、この組み入れ銘柄と銘柄選定の根拠です。例えば、アマゾン、マイクロソフト、グーグル(アルファベット)などの米国の巨大IT企業は、今や数多くのアクティブファンドに組み入れられている定番の銘柄ですが、これらは幅広い投資テーマに当てはまってしまう「オールマイティー型」の銘柄でもあります。

 こうした銘柄の組み入れ自体を否定するわけではありませんが、インデックスファンドでも間接的に投資できる銘柄群をあえて組み入れる理由がどこにあるのか。この点は銘柄選定の根拠とともに慎重に評価しています。投資信託の魅力の一つは、個人で発掘することが難しい企業の株式にも投資できる点にあります。テーマ型ファンドは、相応のコストをかけて運用するからこそ、付加価値を提供してしかるべきなのです。

 運用会社が毎月作成・公表する月次レポートには、ファンドの組み入れ上位銘柄が掲載されています。レポートのフォーマットは運用会社によって異なりますが、最近は組み入れ銘柄の紹介や、運用担当者のコメントを掲載する例も増えているので、ぜひ参考にしてみてください。

 以上をまとめると、テーマ型ファンドを選ぶ際は、「成長産業型」のテーマを掲げたもので、かつ、運用開始から最低でも2~3年程度の年月が経過したものの中から絞り込んでいくのがよいでしょう。

 十分な運用実績のない、新しいファンドがどうしても気になるという場合は、運用開始1カ月後をめどに公表される組み入れ上位銘柄は最低限確認するようにしてください。キャッチーなファンド名に飛びつかないことも、投資信託選びで失敗しないためのコツです。