コロナ影響が直撃した4-9月期の増益確保銘柄は、業績安定感の高さが際立つ

 11月13日段階で、7-9月期の決算発表はほぼ一巡する形となっています。全産業の純利益は前年同期比38%減になったと試算されており、うち、製造業が同54%減、非製造業が同28%減になったもようです。

 一方、下半期見通しは製造業が同77%増と回復の一方、非製造業は同49%減と減益幅拡大の見通しです。製造業は4-6月期でボトムを打った銘柄も多く、現状では株価の見通しも製造業優位と捉えるべきです。非製造業の来年度業績回復を織り込むには時期尚早でしょう。

 決算発表が一巡した局面では、あらためて好決算発表銘柄を評価し直す動きが想定されます。とりわけ、新型コロナウイルスの悪影響が直面した4-9月期決算における増益銘柄などは、業績の安定感の高さが特筆できるものと判断します。

今期が前期に続く増益予想+上半期も増益の高配当利回り銘柄ランキング

 下表は、時価総額1,000億円以上で配当利回り3.0%以上の銘柄の中から、今期が前期に続く増益予想銘柄で、上半期も増益を確保したもののリストになります。業績安定感の強さは長期投資向きとも言えるでしょう。

好調な業績推移が続く高配当利回り銘柄(2020年11月13日現在)

コード 銘柄名 会社予想配当利回り 株価 時価総額 上半期増益率
5857 アサヒHD 4.57 3,500 1,395 70.5
1941 中電工 4.87 2,134 1,241 24.8
9434 ソフトバンク 6.83 1,260 60,318 6.8
9433 KDDI 3.86 3,105 71,545 6.4
9436 沖縄セルラー 3.53 4,360 1,192 4.7
8424 芙蓉総合リース 3.55 6,200 1,878 2.3
配当利回り平均(%) 4.54
注:配当利回り、上半期増益率の単位は%、時価総額の単位は億円、株価は2020年11月13日終値、単位は円。

スクリーニング要件

  1. 予想配当利回りが3%以上
  2. 時価総額が1,000億円以上
  3. 前期実績、今期見通しともに営業増益
  4. 直近四半期までの累計営業利益が前年同期比増益