年末にかけて2021年の景気浮揚・株高期待を先取る動きも

 11月中旬から年末にかけての株式市場は比較的堅調な展開が続くと見込まれます。今年最大の注目イベントであった米大統領選を通過し、トランプ大統領の徹底抗戦の影響、上院での勢力確定先送りなど不透明要因は残しますが、ひとまずはリスク低下によって株式投資への安心感は強まりやすいと考えます。

 また、新型コロナワクチンの開発進展は、2021年の景気浮揚、ならびに株価上昇に対する期待感への高まりにもつながりそうです。加えて、なにより、一段の感染者拡大に伴う先行き警戒感を抑制させるものにもなります。

 さらに、今年は年末商戦への期待も高まる見通しです。新型コロナウイルスの影響による旅行自粛などの反動が強まるものとみられ、12月にかけての株式市場の期待材料とされそうです。とりわけ、EC関連やゲーム関連などには関心が高まりやすいでしょう。

 一方、国内では足元で感染者数が急拡大してきています。今年の冬シーズンにはワクチンの供給は間に合わず、目先では営業活動自粛要請の広がりなども想定されます。銘柄によってはストレートにネガティブ反応も予想されるため、現段階では、コロナ禍での収益拡大が見込める銘柄に再度、資金シフトの流れを想定すべきでしょう。

 年末にかけての堅調相場は期待されるものの、短期的には過熱感の反動も想定されるため、コロナ禍での高パフォーマンス銘柄の押し目買いなどに注目すべきでしょう。

 また、バイデン新大統領の大規模インフラ投資などを織り込んで、米長期金利が上昇傾向にあります。一段の上昇にはインフレ率の上昇も必要となりますが、金利上昇局面では高パフォーマンスとされる高配当利回りや低PBR(株価純資産倍率)などのバリュー株の見直しの動きなども期待したいところです。