4 沖縄セルラー(9436・JASDAQ)

▼どんな銘柄?

 KDDI(9433)を親会社とする通信会社です。沖縄県では5割と圧倒的なシェアを占めています。

「au」「UQ」のブランドで展開するモバイル事業、「auひかりちゅら」「ひかりゆいまーる」が中心のFTTH事業、2019年11月からサービスを開始したauでんきを中心とするライフデザイン事業を手掛けています。

 東シナ海ルートの「沖縄~九州海底ケーブル」が竣工し、2021年3月期には収益貢献する予定です。

▼業績見通し

 2021年3月期上半期営業利益は77.9億円で前年同期比4.7%増益となりました。

 新型コロナウイルスの影響などで端末出荷台数は減少しましたが、auでんきや海底ケーブルなど新規事業の売上拡大、モバイル契約数増加など顧客基盤拡大による電気通信事業収益の増加がプラス寄与しています。

 2021年3月期通期では、営業利益は140億円で前期比0.2%増益の計画ですが、上半期の進捗率は55.7%に達しており、超過達成の可能性は高いと考えられます。

▼ここがポイント

 配当性向40%を新たな配当政策に掲げており、2021年3月期年間配当金は154円で前期比9円増を計画しています。これで20期連続での増配となります。

 また、今期は発行済み株式数の2.2%に当たる60万株、20億円を上限とする自社株買いの実施を初めて発表しています。

 こうした株主還元策の強化に加えて、想定以上の契約者獲得推移となっているauでんき、格安スマホ市場で高い競争力を有しているUQモバイルなども今後の期待材料となるでしょう。

5 芙蓉総合リース(8424・東証1部)

▼どんな銘柄?

 リース業界大手の一角でみずほ系です。9月末の営業資産残高は2兆5,756億円で、うちリース資産残高は1兆7,240億円となっています。

 物件別リース契約実行高では、情報・事務用機器、建物など、輸送用機器、産業工作機械などのセグメントが上位となっています。

 不動産や航空機などが戦略分野で、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスなどは新領域となります。2020年4月にはヤマトHDの子会社ヤマトリースを買収しました。

▼業績見通し

 2021年3月期上半期営業利益は209億円で前年同期比2.3%増益となりました。コロナ禍の悪環境の中、不動産リースが伸びた他、ファイナンス事業も不動産ファイナンス中心に好調に推移しました。

 営業資産残高はヤマトリースの連結化や不動産アセットの積み上がりなどで、中計目標だった2兆5,000億円を前倒しで達成しています。

 2021年3月期通期では、営業利益は420億円で前期比1.4%増益を計画しています。消費増税前の前年上半期実績を上振れていることで、通期計画達成の確度は高いと考えられます。

▼ここがポイント

 みずほFGに近いリース会社は、同社の他、東京センチュリー(8439)みずほリース(8425)などが存在しています。2021年春には三菱UFJリース(8593)日立キャピタル(8586)が合併することもあり、今後も再編期待などが折に触れて高まる可能性があるでしょう。

 その他、新型コロナウイルスワクチンの開発進展で、航空機リース事業の先行き懸念が後退することも支援となります。