日経平均の上昇トレンドは一服のサインが出現

 先週末11月20日(金)の日経平均終値は2万5,527円でした。17日(火)の取引で2万6,000円台乗せを達成したものの、週末にかけては失速していく展開となりました。

 上昇の一服感を漂わせる一方で、前週末終値(2万5,385円)からは142円高で、週足ベースの上昇基調を継続しており、調整狙いの売りをはじめ、買い乗せや押し目買い、戻り待ち売りの判断が難しい状況になっています。

 今回のレポートも前回と同じく、日経平均の「トレンドの勢い」と「株価の水準感」の視点でチェックしていきます。

■(図1)日経平均(日足)のボリンジャーバンド (2020年11月20日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図1は、日経平均(日足)のボリンジャーバンドです。

 最近までの日経平均は拡大するバンドの+2σ(シグマ)に沿って上昇してきたわけですが、2万6,000円台に乗せた17日(火)を境にして、18日(水)以降はこの+2σの線を下抜ける展開へと変わっています。

 また、これまでにも紹介したトレンド一服の目安となる判断サイン(「株価が+1σを下抜ける」、もしくは「反対側の▲2σの線の向きが変わる」)のうち、後者の▲2σの線の向きが変っている他、前者についても株価が+1σに接近しています。

 そのため、ひとまず株価上昇の一服を意識する局面と言えそうです。一服後は5月から6月にかけての上昇時のように、「長いもみ合いレンジ相場が続く」のか、2月から3月にかけてのコロナショックの下落時のように、「トレンド転換になる」のかを探ることになります。

 とはいえ、まだ株価が+1σを下抜けていませんので、仮に+1σをキープできれば、このまま+1σと+2σの範囲を往来しながら上昇基調を描く、「バンドウォーク」の状態になる展開も考えられます。バンドウォークは比較的強いトレンドとされており、市場のムードがプラスに働いていることが必要です。